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金融とITのキャリアを元に推進するモニクルの経営企画室長が描く未来
経営企画室長・木村敬子に聞く

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株式会社モニクルは、「金融の力で、安心を届ける。」をミッションとする金融サービステック企業です。モニクルでは、2024年4月に経営企画室が創設され、経営戦略領域と人材戦略領域を担っています。

今回は、モニクルの木村敬子経営企画室長に、これまで歩んできたキャリアと、これからモニクルの経営企画室が担っている役割や展望について話を伺いました。

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株式会社モニクル
執行役員 経営企画室長

木村 敬子 Keiko Kimura

京都大学大学院修了後、シティグループ証券、フィデリティ投信にて証券アナリストとして勤務。その後Googleの広告営業部にてインダストリーアナリストとして営業チームの営業戦略立案や顧客へのデジタルマーケティング提案に従事した後、金融業界や消費財業界担当の営業チームの統括部長を歴任。金融業界とテック業界両方の経験を持つとともに、経営分析と実務の両方の経験を持つことに強みを持つ。

外資企業で勤めたいとキャリアをスタート、アナリストへ

本日はよろしくお願いいたします。まずは、木村さんがモニクルに入る前、どのようなお仕事をされてきたのか教えてください。

大学卒業後、学んでいた哲学をもっと極めたいと思い、大学院に進みました。哲学の中でも、私は現代に近い西洋哲学を専攻していて、特に分析哲学と言われる領域で、言語や論理などの側面から世界の成り立ちを説明する一派のウィトゲンシュタインという人の研究をしていました。当初、大学院卒業後は研究者になりたいと思っていたのですが、あまりにも周りの方が優秀で、さらに「私ってもう少し現実的かもしれないな」と思いはじめて、自分が教授職につく姿が想像できなくなってしまったんです。それから就職活動をスタートさせました。

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そこから、外資系証券会社に新卒で就職されたのは、なぜですか? 哲学から金融へというと、全く異なる領域に思えるのですが。

確かにそうですよね。ただ、私は元々金融業界に行きたいと考えていたわけではなくて、女性が若くても活躍できるところという条件で探した結果、行き着いたという感じなんです。当時、まだまだ社会で活躍する女性も少なく、年功序列のカルチャーが残っている企業が多くて、就職活動をする中で「私に合うのは日本の会社ではないのかもしれない」と思い始めたんですよね。外資系企業となると、当時は金融やコンサル、メーカーくらいしか選択肢がなかったので、その中で決めたという感じです。新卒の時は、就職氷河期だったこともあり苦戦したので、内定をもらえた時は嬉しかったですね。

1社目の外資系証券会社でのお仕事はいかがでしたか?

調査部のアナリストとして入社しましたが、実は調査部で新卒採用をしている企業は、外資系では当時ほぼなくて、その会社でもスタートしたばかりでした。そういった背景もあり、皆さんが”育ててあげよう”という気持ちをすごく持ってくださっていて、私自身も若い段階からチャンスをたくさんいただきましたし、すごく勉強になりました。

例えば、財務も何も知らない中で業績モデルを作ることになり、先輩のモデルを共有してもらって、P/L(損益計算書)とB/S(賃借対照表)とCF(キャッシュフロー計算書)がこういうふうにつながっているんだと覚えていきました。同時に証券アナリストの勉強も始めて、週末も全部仕事と勉強で終わる日々でしたが、ラーニングが多くてすごく充実していました。

それから、転職をされたのは、なぜだったのでしょうか?

最初の証券会社では、「セルサイド」といって機関投資家に推奨するアナリストをしていました。ただ、自分も投資の意思決定にもっと関わりたいという気持ちがどんどん出てきたので、機関投資家の方にキャリアチェンジができればと考えるようになったんです。お客様からお預かりしたお金をどこの人に投資するかを考える「バイサイド」のアナリストになりたいと考え、一番大きい機関投資家で、いろいろなセクターを経験できて、アナリストとして成長する余地がありそうな外資系の投信会社への転職を決めました。

全く逆の立場になったということですね。実際に転職してみて、いかがでしたか?

会社に取材に行って業績を予想して企業価値算出して…というプロセス自体は大きくは変わらないんですけれども、その後本当にお金を投資するか意思決定をする点では、一緒に働いているポートフォリオマネージャーと密にやり取りをして主体的に関わることができるようになりました。

セルサイドは、ある意味言いっぱなしなところがあって、本当にそれがどのタイミングで買いなのか売りなのか、今売るべきなのかっていうことに対するコミットメントは低くても成り立つんですよね。むしろ、ちゃんと企業調査をすることの方が求められているし、付加価値が高いんです。それに対して、バイサイドではパフォーマンスが出るかどうかが非常に重要なので、どういう観点から企業調査をする必要があるのか、どうやって市場の声を聞くか、市場と向き合うかなど、全然スタンスが違うので、とても学びがありました。

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この会社で、現在モニクルの取締役である泉田さんと一緒に働かれていたんですよね。どういう形の関わり方で一緒にお仕事されてたんですか?

実は、1社目の証券会社の時から、お客様として泉田さんのことは知っていました。当時は泉田さんは中小型株を担当するアナリストで、私も比較的中小型株がたくさんある業界を担当していて、機関投資家向けにプレゼンをたくさん行っていました。その中で泉田さんとお会いして、お客さんの1人としてすごい鋭い質問をくださるので、優秀な方だなと思っていましたね。

それから同僚として働く中で、一時期一緒にテック業界をカバーしていたことがありました。私は半導体製造装置(SPE)を担当していて、泉田さんは半導体や液晶パネル関連の会社群を担当されていたんで、バリューチェーンがつながっているから一緒に取材に行ったり情報交換したりしました。

そのときの泉田さんの印象はいかがでしたか。

泉田さんは当時から今まで全然印象が変わらなくて、他の人と全然違う見方をされる方だと思っています。ボトムアップに着実に考えるだけじゃなくて、斜め上から別の視点を投げ掛けてくださるので、「そっか、それもおもしろいな」という気づきをくださる存在ですね。

あと、泉田さんがすごいと思うのは、”ストーリーテリング”ですね。「これを推奨したい」「この会社がいい」って思ったときのストーリーの作り方がすごく説得力があって面白いんです。聞かせるストーリーがあるなっていうのが泉田さんのアナリストとしての魅力で、非常に学びをいただきました。

Googleで営業やマネジメントを経験

投信会社では何年間働かれたんですか?

7年と少し働いたころ、第二子を出産後の育休中にリクルーターの方から声をかけられて、IT企業への転職を打診されました。今ではアメリカの主要IT企業の一つにまで成長した会社ですが、当時はまだまだ小さな会社で、日本のオフィスもこれからどんどん伸ばすフェーズだったんです。複数のIT企業が競争していた時代でした。これから日本で広告事業を伸ばしたいという中で、営業の企画や営業戦略を考える「インダストリーアナリスト」という職種ができて、その職種を初めて採用する時に、声をかけていただきました。

正直に言うと、金融業界以外への転職は全く考えていませんでしたが、私自身がテクノロジーのセクターを担当していたこともあり、エコシステムの中ですごく伸びそうだし、新しいビジネスモデルだと思っていたので、「どんな会社か見てみたいな」と思って応募してみたんです。実際に受けていくと、面接で出会った人たちがすごく優秀で魅力的だし、会社としてもこれからいろいろなことができる印象があって、もしかして、全然違う業界に転職するのは今じゃないとできないかもしれないから、ちょっと違う領域にピボットしてみようかなと、転職を決意しました。

実際に働かれてみて、いかがでしたか?

そうですね、やはり大きなピボットだったので、入社した当初は結構大変でした。それまでやってきた財務分析はほぼすることがなくなり、一方で、デジタルマーケティング、自社の広告商品の理解、マーケティングの基礎など、新しく覚えることがたくさんありました。

また、SQL(Structured Query Language)というデータベースを操作したり格納されたデータを取得・更新したりするための言語も勉強しましたし、営業の提案資料の作り方も学びました。当初は子供も小さくて大変でしたが、やりがいがありました。

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入社してから、役割の変更はありましたか?

最初はインダストリーアナリストとして働きはじめ、その後セールスデベロップメントマネージャーへと名前が変わりましたが、基本的に業務内容は同じで、各インダストリーごとに分かれている広告営業チームが営業戦略を考える上でのブレーン的な役割を担っていました。お客さまに提案する資料を私が作り、営業担当と一緒に提案して、さらにそのお客さまのマーケティングコンサルもさせていただきました。社内でさまざまな調査を回し、そのデータを元に、「カスタマージャーニーはこうだから、今の広告施策に加えてこういうことをやった方がいい」という提案をしていくのがコンサルティング営業の仕事なので、その根拠となる部分を構築していくのが役割でした。最終的にはチームリードもさせていただきました。

営業活動についていく中で、もしかしたら自分には営業が向いているかもしれないと思いはじめたころ、金融業界担当の営業チームのマネージャーポジションの募集があって、「興味ない?」と言っていただいたんです。営業を担当したことはありませんでしたが、金融業界だったら自分の知見も生かせるので、やってみることにしました。

木村さんのご経験がそのまま生かせるポジションですね。

ただ、それまで自分がやってない職種のマネージャーだったので、結構大きなチャレンジだったと、振り返って思います。そもそもピープルマネジメントが初めてだったので、いろいろと研修を受けさせていただいて、マネジメントのフィロソフィーをインプットしていきました。営業として最前線でクライアントの役員やシニア層に営業活動を行うと同時に、採用からメンバーのマネジメント、そして売上の管理も全て自分でしなければならないので大変ではありましたが、インダストリーアナリスト時代に営業戦略を考えていたので、その延長のような感じもありました。自分が「こうした方がチームとして伸びていけるんじゃないか」と思っていたことを、少しずつ導入していきましたね。

そこで初めて担当されたマネジメント業務についてはいかがでしたか?

すごく充実感がありました。それまでは、自分にとって”自己成長”がフォーカスポイントだったのが、マネジメントをするようになってからは、チームのメンバーがどう成長するかとか、チームとしてどうパフォーマンスを上げるかという視点で見られるようになったんですよね。自分1人だけだとできることは限られていますが、チームならもっと大きなことができるので、楽しかったです。

マネジメントする上で心がけておられたことはありますか。

当時、社内でよく言われていたキーワードに、「Lead With Respect」という言葉があって、私自身も大事にしていました。パフォーマンスを出すことと相手をリスペクトすることの両立は難しくなりがちですが、だからこそ、メンバーをリスペクトしながらチームをリードすることを心がけていました。そのためには、チームのみんなが心理的安全性を感じられると同時に、チームの成果責任や報告する責任をしっかり持つということの両軸がどちらも重要です。それをチーム全体として、バランスのとれた状態を醸成できるのが、リーダーの役割だと思います。

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人の良さとパッションを持てることが決め手でモニクルへ

それから、2024年4月にモニクルに入社されましたが、その経緯について教えてください。

自分のキャリアとして、約10年間金融業界、約10年間IT業界で過ごす中で、そろそろ次の10年のフェーズを考えたいなと考えるようになりました。その時、自分のキャリアの集大成としては、財務分析や企業評価、経営視点で考えるという金融業界でやってきたことと、IT業界でやってきたテクノロジーの力をかけ合わせて何かできないかなということだったんです。さらに、経営にももっとコミットしたいなとおぼろげに思っていたタイミングで、たまたま泉田さんとコミュニケーションをとった時に声をかけていただいて、非常に魅力的な話だと感じました。

モニクルに実際にジョインしようと思った決め手はなんでしたか?

一つ目は”人”ですね。これまでも、自分が転職するときには「どんな人と働くか」を重視してきました。泉田さんも原田さんもすごく優秀な人たちだと思っていましたし、その後お会いした役員の皆さんも本当に優秀でいい方ばかりで、それは大きな決め手になりました。

二つ目は、”パッションを持てる領域”だったことです。転職するときには、その業界や自分の役割に対してパッションを持てるかどうかも重視しています。そういう点では、モニクルが称している”金融サービステック”は、まさに自分のキャリアがそのまま生かせるところだと感じました。私自身過去の経験から、資産運用における情報格差を解消することでもっと世の中の役に立てるのではないかという思いを抱いてましたし、テクノロジーの力に大きな期待を持っています。また、経営企画という役割も、自分がずっとやりたかったものだったのでパッションを持てると思いました。

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入社されてから、モニクルでの仕事はいかがですか?

実際に働いてみて、すごく楽しいです。モニクルはスタートアップなので、まだまだ整い切っていない部分がある中で、私は整理するのが大好きなので、とてもやりがいを感じています。秩序を目指して整えていくのはすごく楽しいことですし、自由度があるのはいいなと思って、自分がどう貢献できるか試行錯誤できることが、面白いなと感じています。

また、これまで経験してきた金融やテクノロジー、メディアなど、領域が似ている部分はもちろんあるのですが、より細かい部分については、『LIMO』も『マネイロ』も、それぞれのサービスラインについては学びが多くあります。しっかりとそこを学んで、もっと経営企画の立場からサポートできることはないかな、よくしていけることはないかなと考えるのは、ピュアに楽しいですね。何よりも、グループの雰囲気がすごく良くて、いい会社だなって思っています。

モニクルグループを一つの人格のように魅力的に成長させたい

木村さんがこれからモニクルでやっていきたいことについて、教えてください。

経営企画の領域としては、経営戦略領域と人材戦略領域をしっかりと固めていきたいと考えています。経営戦略領域では、大きく三つの柱をコア領域として自分の中では決めていて、一つ目が予実管理を含めたその事業計画がちゃんと遂行できているかどうかのモニタリングと分析、そしてそれを事業にも返していくところです。ここについては、金融業界で多くの会社を分析してきた経験をもとに役に立てる部分もあると思うので、すでに作成されている事業計画を着実に達成するとともに、今後は計画策定についても、しっかりと取り組んでいきたいと思っています。

二つ目は、モニクルグループ全体にとって、企業価値を高められそうなプロジェクトや新規事業領域に関する情報収集や戦略策定は、必要に応じて行います。

三つ目は、今モニクルでは上場を目指しているので、今後そのための準備を行っていこうとしています。

人材戦略領域については、いかがでしょうか?

人材戦略については、社員の育成プランやマネジャーの研修体制、次世代のリーダーの育成プラットフォームや採用の戦略を構築していきたいと考えています。私もまだまだ手探りですけど、何よりも社員にとって良いものにしたいなと思っています。会社にとって良い戦略だとしても、実行していくのは人ですし、何よりも企業文化は人が作るものですから、そこは意識していきたいです。

最後に、この先モニクルでやっていきたいことを教えてください。

何よりも会社を成長させたいという思いがあるので、将来性が高い資産運用業界の中でNo.1になりたいですし、認知度を高めていきたいです。また、人事の役割からすると、「入りたい」と思ってもらえる会社になりたいですね。会社を数字的な側面で成長させたいのはもちろんですが、モニクルグループを一つの人格のように魅力的な会社にするべく、みんなで一緒に成長させていきたいと思っています。私はこれまでさまざまな新しい領域にピボットしてきましたが、今回は自分の集大成としてモニクルにピボットしてきたので、大きな目標を目指して、力を合わせてやっていきたいです。

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