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5年後、10年後の姿をビジュアル化する役割 モニクルではたらくデザイナーの仕事
フルリモートのデザインチームのはたらき方とは

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株式会社モニクルは、株式会社ナビゲータープラットフォーム(以下ナビゲータープラットフォーム)と株式会社OneMile Partners(以下ワンマイルパートナーズ)の2社を率いるグループの持株会社です。モニクルはグループの司令塔として機能するとともに、ITプロダクト開発などを行っています。

モニクルではたらくデザイナーは、子会社2社のサービスや、グループのコーポレートサイトやオウンドメディアなどのデザインを担当しています。今回は、デザインチームをまとめる、デザイン部のマネージャーである神田泰亨さんに、モニクルのデザインチームについて、話を聞きました。

※2024年2月6日付で、株式会社OneMile Partnersは株式会社モニクルフィナンシャルに変更いたしました。

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株式会社モニクル
デザイン部 マネージャー

神田 泰亨 Hiroyuki Kanda

ブランディングファームでグラフィックデザイナーとしてキャリアをスタート。海外展開を行う企業のブランディングに関わる。その後日本デザインセンターでロゴ・エディトリアル・パッケージ・サインデザインなど様々な案件に従事。その後不動産投資の会社でインハウスデザイナーとしてデザインチームを立ち上げ、ロゴ・建築・オフィス・アプリUI・webデザインなど、ブランディングに関わるデザインを手がける。自らのデザイン会社を設立した後、モニクルに参画。
受賞歴:Good design賞、アジア創造展創造美術賞、Swiss Zurich ink painting exhibition Second prize など。

複数のデザイン事務所でブランディングなどを担う

本日はよろしくお願いいたします。まず神田さんのご経歴についてお聞かせください。

まず、新卒の時の話になりますが、学生時代は卒業制作に非常に力を入れて打ち込みました。私はクレイアニメを作るキットを作り、パッケージのデザイン、写真をアップロードすると動画にできるWebサイト、さらにポスターまで作りました。

当時は「ブランディング」という言葉は知りませんでしたが、全体をデザインすることに強い興味があったのかなと思います。結果的に、一番いい賞をとることができました。

すごいですね!

ただ、卒業制作が忙しいことを理由にして、就職活動を全くしなかったんですよね(笑)。なんなら、スカウトが来るんじゃないかと思っていましたが、全く来ず。無職のまま卒業し、4月を迎えてしまいました。

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それからどうされたんですか?

当時は大阪に住んでいたんですけど、何度か東京のデザイン事務所を訪問して質の違い、情報の差を目の当たりにし、「やっぱりデザインを仕事にするなら、東京に行った方がいいかな」と思うようになりました。何も仕事は決まっていませんでしたが、まずは東京に行くことにしました。

それから、ブランディングファームと呼ばれるブランディングを主に行うデザイン事務所に入りました。そこで上司だった方が、1964年の東京五輪のエンブレムなどで知られるグラフィックデザイナーの亀倉雄策先生の最後の弟子にあたる方だったんです。当時はパソコンがないため、手書きでロゴデザインをしていた時代です。そういった下地のあるデザイナーの方は、デジタルでデザインをしても細部までとてもきれいです。基礎力の重要性や職人的なこだわりの必要性を、その上司から学ばせていただきました。

そこが神田さんのデザイナーとしてのキャリアのスタートになるんですね。

そうですね。それからしばらくして、亀倉先生も立ち上げメンバーでもある日本デザインセンターのことを上司から教えてもらって知りました。デザイン事務所の最高峰と言われている場所でなら、もっと腕を磨けるだろうと考えて、転職を決めました。

はたらく中で、新たな発見もありましたか?

もちろん、所属するデザイナーは本当にすごい方がたくさんいるので、入社してみて、間違いなく最高峰のデザイン事務所だと感じました。ただ、自分としてはどうしても気になることも出てきてしまって。いくつかの会社のブランディングを担当させてもらっていたんですけど、デザイン事務所で仕事を受けて、デザインを作ると、納品したらそこでもう終わりなんですよね。ブランドはそこからスタートするのですが、外部のデザイナーは納品後はそれ以上関われないという部分に、限界を感じはじめました。だったら社内にいる方が、よりしっかりブランディングできるんじゃないかなって思い始めたんです。

インハウスデザイナーとして上場を経験し独立へ

それから、インハウスデザイナーとして転職されたんですね。

学生のときに、グラフィックデザインをするか、建築士になるか迷った経験があるくらい、建物が好きで。そういった背景もあったので、何か建物にも関われるようなジャンルの会社で、社内でデザイナーとして働きたいと思いました。結局、不動産投資系の会社にデザイナー1号として転職しました。それがインハウスデザイナーとしての一歩ですね。

デザイナー1号だと、基盤作りも大変そうです。

そうですね。当然、デザイナーと仕事をしたこともないみたいな人たちばっかりなので、最初は大変でしたが、デザインって目に見えて変化がもたらせるので、「デザイナーが入るとこんな感じになるんだ」とメリットがすぐにわかってもらえたので、割とスムーズにデザインのチームづくりができましたね。

入社後数年で会社は非常に勢いのある時期に入りました。それから数年して、会社のマザーズ上場(現:グロース)と、さらに東証一部(現:プライム)への鞍替えも経験できました。リブランディングも2回経験しましたし、一通りのことをインハウスデザイナーとして、マネジメントもしながら経験することができました。

それから、ご自身の会社を立ち上げられたんですよね。

そうですね。7年勤めた会社を辞めて、デザイン会社を一人で立ち上げました。同時にFintech系の会社にも関わっており、投資や資産運用への興味は一貫しています。これまでのご縁もあり、仕事には困らなかったのですが、やはり実際にやってみると、デザインして納品して…の繰り返しで、「自分が本当にやりたいことはこれなのかな」と思い始めたんです。

自分としては、やっぱりみんなで何かを作りたいという思いがあるんですよね。自分1人で作るなら、そんなの趣味でやればいい話だよなって思えてしまって…。そんな時に、モニクルと出会いました。

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「この人たちの会社なら大丈夫だ」と思ってモニクルに入社

神田さんのそれまでのご経験から、モニクルに関心をお持ちになったんですね。

これまでデザイン事務所、インハウスデザイナー、そして自らの会社を立ち上げる中で、自分がやりたいこともどんどん研ぎ澄まされてきた感じがしていました。その中では、ビジネスにおいて、「いかに買わせるか?」というようなセールスの要素だけには魅力を感じないこと、そしてチームを作ってもっと大きな事業に関わりたいという気持ちがあったんですよね。

具体的にはどのような関わり方をしたいと思っていたのでしょうか?

そうですね。前職のときは、デザインチームにはそれなりに人はたくさんいましたが、エンジニア領域とクロスしている感じではなかったんですよね。それぞれがそれぞれで動いてるって感じだったんです。その辺りも、もっとクロスした動きをしてみたいという思いがありました。

また、ブランディングには関わってきましたが、まだ他にもできることがあるんじゃないかなっていう思いはあったんです。前職でも、不動産業界において、デザイナーとしてはある程度のインパクトを与えられた実感はありましたが、組織とかチームという意味では、もっとできることはあったんじゃないかと思っていたんです。やはり上場する前の勢いってすごいので、それをもう一度経験したいなという思いもありました。1回目は流れについていった感じですが、2回目はもっと再現性を持って取り組めると思ったんですよね。

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そこにモニクルが当てはまったんですね。

最初はエージェントの人に紹介してもらって、カジュアル面談をしてもらいました。最初に採用担当の柳さんとカジュアル面談をして、「いい人が多い」と聞いて。他にも何社か受けていて、デザイナーは役職上エンジニアとやり取りすることも多いので、エンジニアのトップの人と何人かお話をしていたんです。ただ、あまりしっくりこなくて、もっと大きく目指すところの話がしたいなと感じていました。

そんな中、モニクルCTOの塚田さんはすごく話しやすかったんですよね。この人がエンジニアの会社なら、面白いことができそうかなって最初に思いました。その後に原田さん、泉田さんとお話しさせていただいて、この人たちがやっている会社なら、将来性には期待できるなと感じましたね。大丈夫だろうって自然と思えたんですよね。いい意味で、変なスタートアップらしさがない、落ち着いてるなって感じて、いいかなと思えました。

デザイナーの役割は「5年後」「10年後」を”見える化”すること

神田さんは入社されて4ヵ月たちましたが、モニクルのデザインチームはどのような特徴がありますか?

まずは弊社の特徴でもあるフルリモートですね。北海道やアメリカに住んでいるデザイナーもいるので、基本的にやり取りは全てオンラインで完結します。子育てをしながら、毎日午後5時台に勤務を終えるメンバーもいますし、パートで関わるメンバーもいます。多様な働き方ができるため、キャリアが途切れないことは大きなメリットだと思います。

 

なるほど、モニクルならではのデザインについては、どのように捉えられていますか?

先週、子会社のワンマイルパートナーズの社名変更を発表したところですが、現在全社でリブランディングを進めているところです。自分が入ってすぐに原田さんにインタビューさせていただく時間があったので、それでだいぶ会社全体のことを理解することができました。それで言うと、今まさに「モニクルならではのデザイン」を作っているところかもしれません。

今の課題については、何かありますか?

これまで、デザインチームは割と依頼を受けて、それを案件ごとに納品するという動きでやってきました。どちらかというと、受け身の姿勢だったと思います。もちろんインハウスのデザイナーとしては、こうした動きは非常に重要で、特に事業のフェーズが最初の方だと、頼まれた仕事をしっかりとこなせなければいけません。

ただ、最近では事業フェーズが変わりつつあるので、これからはデザイナーとして自ら発信していくとか、自分のクリエイティブから何かが広がっていく動きができればいいなと思っています。ここからは、もうちょっと専門性が必要になってくると思うので、ちょうど転換期だと思います。

神田さんとしてはどういったデザインチームを作っていきたいですか?

社内にデザインチームがいる利点って、大きいと思うんです。ブランディングとかは特にそうなんですけど、デザインをする対象は、今ではないんですよね。役員にもインタビューさせていただきましたが、やはり「5年後、10年後はこうなっているだろう」っていう目標がありますよね。1人1人がいろいろな角度からいろいろな話をされるので、最初は見えていない状態から、「こうだろうな」っていうものを形にしていく作業なんです。デザインしているのは今なんだけど、「5年後、10年後に必要なデザインってこれですよね」という確認作業を、今やっているということです。

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未来を形にしていく作業ということですか?

例えば、全く行ったことのない全然知らない土地があったとして、そこに行った人5人ぐらいから話を聞いていくと、「大体なんとなくこういう場所だろうな」って見えてきますよね。ないものを作るというより、この先にもう既にあるものをデザインするのが、デザイナーの役割だと思うんです。

その辺がアーティストとは違うところで、突然訳もなくいいデザインを作るということはないんですよね。要望があったり何かを解決するために、デザインがあるんです。意識とか言葉では、ある程度グループの社員の人たちが同じ方向を向くことができても、この先はこうしていくというメッセージをビジュアル化できるのは、社内のデザイナーの役割だと思うんです。

それをより明確にビジュアル化して、少し先をデザインをするということなんですね。

会社のイメージを、目には見えない資産としてを作り出すのが社内のデザイナーの仕事だと思います。そういう価値を作り出せるというのが、社内デザインチームのいいところですよね。そこを目指していきたいと考えています。

神田さんにとって、ブランディングとはどんなものでしょうか?

ブランドって、ロゴも含めてですが、いわゆる器みたいな状態なので、最初は何も意味がないんですよ。もし世の中に「NIKE」がなかったとして、自分があんな感じのマークを作って、「すごいいいデザインができたんです」って見せたとしても、別に誰も何も思わないと思います。別に、それ自体にそんなに意味はなくて、そのブランドが育つ過程で、ロゴやデザインに魂を込めていくことで初めて出来上がっていくという感じなんですよね。

みんなでどうやって、そこに意味づけしていくかの方が大事なので、そういう意味ではデザインが先行することってないんですよね。こういう風になっていく、していきたいという前提があって、それをビジュアル化するみたいなイメージですよね。

それもまずは社内から浸透させて社外に向けてやってくってことですよね。

もう内側に全部浸透しきって、にじみ出たものを外の人が感じてくれるのが一番いいですよね。

解決したいことや困りごとに向き合える人と働きたい

デザイナーの採用にも力を入れておられると思いますが、どんな人に入ってきていただきたいと思っていますか?

チームとして何かを作ることに対して、喜びがある人がいいですね。あとは、インハウスデザイナーとして、ブランドを作っていくことに興味がある方にきていただきたいです。自分は、デザインの力が一番発揮できるのはブランディングだと思ってるんです。単発でデザインするのはデザインではあるんですけど、それはそれだけで終わってしまいがちですから。そのブランディングに、内側から取り組むことで、さらにその力を最大化できると思っているんです。

外側から取り組むのと比べて、何が違うと思われますか?

まずは、先ほどもお話したように、納品して終わりではなく、その先も関われるという点は大きな違いです。今の時代って全てにおいて移り変わりが早いので、デザインを使える耐用年数もどんどん短くなってきていると感じています。その分、中にいれば、デザインを新しくするとなった場合も、一緒に考えることができます。外部のデザイナーとは違って、内部のデザイナーはうまくいくためにどうすれば良いか、ずっと試行錯誤します。そこがデザインの本質的なところだと思うんですよね。

「美しいからいいだろう」ではなくて、機能的な美しさと造形的な美しさって本来は両立していて、両方が高いバランスでないとだめだと思うんです。すごく美しいけど使いにくいデザインなどはありえなくて、そのバランスはやはり内側からの方がとれるんじゃないかなと思います。

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興味深いですね。「デザインの使える耐用年数がどんどん短くなっている」という言葉が気になりましたが、どういった背景からそうなっていると考えていますか? 情報社会で、人々が飽きやすくなってるということでしょうか?

それもあります。あとは、ビジネスモデルが変わるスピードがどんどん速くなってるので、そうなるとやっぱりデザインも変わってくるし、あと技術が変わると当然デザインも変わりますよね。例えば、画面のサイズが変わればデザインも変わりますから。

UIなんかは、特にそうですね。そのブランドらしさは、当然出した方がいいんですけど、見たこともないようなデザインにしてしまうと、結局は使いにくいだけなんです。その部分では、「これはこれ」みたいにある程度決まったサイズ感の方がよくて、「その上でブランドらしさをどうやって出すか」という話になってきます。そこに技術の進化と、見た目の変化があるので、昔ほどはそんなにずっと同じデザインではあり続けられなくなっていると思いますね。

クリエイターとしてのデザイン力についてはいかがですか?

もちろん、クリエイターとして突き詰めていく姿勢みたいなものは持っていてほしいですが、それはデザイナーであれば、みんな根底にあるものだと思います。本当に1ピクセルまでこだわってデザインするみたいな職人らしさは、持っていてほしいなとは思いますね。

どうしても、デザイナーの仕事としては、求められているものにどうやって応えていくかという戦いになりそうな気もしていますが、どのように思われますか?

そもそも、デザイナーという仕事自体が、受け身な部分があると思っています。それは、何かしらの困りごとや、こうなりたいという目的があって初めてデザインが機能するからだと思うんですよね。そういう意味では、デザイナーってお医者さんに例えられることがあるんですけど、医者も別に自分が手術が好きだから切ることはないじゃないですか。患者さんの病状があってから動き出すものなので、逆に言うと健康な人に対しては別に何もできないというか、何もしませんよね。そういう意味では、受け身なんですよね。

デザイナーもそういう側面があって、解決したいことや困りごとに対してデザインで解決するお医者さんのようなものだと思うんですよね。ただ、病気を治すだけのお医者さんではなくて、どんなに忙しくてもちゃんと患者さんの目を見て話してくれるお医者さんってたまにいると思いますけど、そんな医者のようなデザイナーがいればいいなと思っています。とりあえずこなすのではなく、きちんと解決したいことや困りごとに一つひとつ向き合える人と、一緒に仕事をしていきたいですね。

本日はありがとうございました!

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