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<トップ対談>徹底的に顧客視点を追及する事業を全力で支援したい【シリーズB資金調達特集vol.3】
株式会社ロッテベンチャーズ・ジャパン×株式会社モニクル

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「自由な発想で、くらしとお金の新しい価値を創造する」ことを目指し、日本の金融サービスのあり方を再定義したい、という大きな目標を掲げる株式会社モニクル。この度、2023年9月6日に、シリーズBラウンドで総額約13億円を調達したことを発表いたしました。(モニクルコーポレートサイトでのお知らせはこちら

今回調達した資金を活用し、お客様の多様なニーズに対応できるサービスをさらに拡充し、「誰もがお金に関する正しい意思決定」ができる社会を目指し、進んでまいります。

モニクルプラスでは、シリーズBの資金調達の発表に合わせて、本ラウンドで引受先になっていただいたベンチャーキャピタル(VC)やコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)、ならびに事業会社の投資家の皆様と、モニクルの代表取締役CEO原田慎司との対談をシリーズでお届けしています。

第3回目となる今回は、株式会社ロッテベンチャーズ・ジャパンの代表取締役会長である澤田貴司氏と代表取締役社長の國分丈明氏との対談の様子をお届けします。

ロッテベンチャーズ・ジャパン澤田貴司氏

株式会社ロッテベンチャーズ・ジャパン
代表取締役会長

澤田 貴司 Takashi Sawada

1957年、石川県生まれ。81年上智大学理工学部卒業後、伊藤忠商事入社。98年ファーストリテイリング取締役副社長。柳井正社長から次期社長就任を打診されるも固辞し退社。2003年再生投資会社キアコン設立。その後、05年リヴァンプ設立。16年ファミリーマート代表取締役社長。21年ファミリーマート代表取締役副会長、22年3月より同社顧問を務め(23年2月に退任)、同月ロッテベンチャーズ・ジャパンの代表取締役会長に就任。

ロッテベンチャーズ・ジャパン國分 丈明氏

株式会社ロッテベンチャーズ・ジャパン
代表取締役社長

國分 丈明 Takeaki Kokubu

早稲田大学法学部卒業。新卒で旭化成に入社し、建設、エネルギー、エレクトロニクス業界にて国内外の営業を経験後、シリコンバレーオフィスにて北米、欧州、イスラエル企業への投資を担当。同社にて2020年CVC領域のエキスパートに就任後、グループ会社のCVC室を立ち上げ室長に就任。その後、2022年10月株式会社ロッテベンチャーズ・ジャパン代表取締役社長に就任。
ケンブリッジ大学 経営大学院(MBA)修了。
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株式会社モニクル
代表取締役CEO

原田 慎司 Shinji Harada

山口県出身。一橋大学卒業後、大和総研、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、ドイツ証券およびシティグループ証券に証券アナリストおよびM&Aバンカーとして勤務。シティグループ証券では総合電機業界の調査責任者を務める。2013年に株式会社ナビゲータープラットフォームを共同創業。その後、2018年に株式会社OneMile Partners(現:株式会社モニクルフィナンシャル)、2021年に株式会社モニクルを設立。現在はモニクルの代表取締役CEOを中心として金融サービステック事業を展開中。

元ファミリーマート社長・澤田氏のこれまでの歩み

原田:本日はよろしくお願いいたします。まず、お二人の経歴を教えてください。

澤田:本気で聞いていますか?長くなりますよ(笑)。

原田:はい、ぜひお聞きしたいです。

澤田:1981年に伊藤忠商事に入社して、最初の11年は化学品のトレーディングをしていました。12年目からはイトーヨーカドーとともに、アメリカのセブン−イレブン買収するという際に、伊藤忠側の窓口を担当することになりました。なぜかそれまで化学品のトレーディングをしていた私が、そのプロジェクトに参画をすることになったというのは、本当に不思議でしたね。

そこで、イトーヨーカドーの伊藤雅俊名誉会長(当時)と出会い、その仕事の仕方を間近で見て、ショックを受けました。伊藤さんと店舗を回ると、現場の人の話を聞いて、お客さんのために何ができるかを考え、社員とお客さんに一生懸命尽くそうとするんですよね。当時、イトーヨーカドーは非常に大きな収益を上げていたのに、「顧客のため」、「社員のため」にトップ自らが現場で取り組んでいる姿が「かっこいいな」と思ったんですよ。

その後、買収もうまくいって、どんどんイトーヨーカドー含めたセブン&アイグループの業績が良くなっていきました。そうしたプロジェクトを目の当たりにして、それまで自分さえよければいいと思っていたことに、あらためて気付かされたんです。顧客目線で一歩ずつ積み重ねて試行錯誤できる小売りビジネスに大きな魅力を感じました。

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原田:そんな出会いがあったんですね。

澤田:それから「伊藤忠の社内でも小売業に参入するべきだ、私にやらせてほしい」と社長に直談判しました。当時まだ35歳くらいで、課長の分際で社長宛てに手紙を書いたんです。すると、一度話が進みかけたんですが、その後「時期尚早」という判断をされてしまい、退職することにしました。 

それから就職活動をしていたら、「山口県宇部市に面白い会社があるから行きませんか」と声がかかり、面接に行ったんです。それが、今の株式会社ファーストリテイリングでした。現在も代表取締役会長兼社長を務める柳井正さんと話してみたら、柳井さんが僕の言っていることに全て相槌を打ってくれたんです。「日本のアパレル市場は15兆円あるから、あなたの経験を生かせばきっと2人で1兆円は作れる」と言ってくれました。

ただ、そんな柳井さんに対して「とにかく勉強させてほしい。まずは店長になりたい」と言いました。そんな私の希望を柳井さんは全部受け入れて下さったんですよ。 本当に嘘みたいな話なのですが、最初にユニクロの店長候補で入って、2ヵ月後に経営企画室長になって、その2ヵ月後に商品本部長になって、その2ヵ月後には役員になって同日常務になりました。つまり、入ってから半年で常務になっちゃったんですよ(笑)。そこから「澤田に営業を全部任せる」と言われて、副社長になりました。

原田:信じられないようなサクセスストーリーですね。柳井さんにとって、澤田さんはどんな存在だったんでしょうか。

澤田:当時、柳井さんに対して「それは違うんじゃないか」と臆さずに言える人が多分周りにいなかったんだと思います。当時の私は、とにかく会社のためになると思ったことは言いたい放題言っていました。柳井さんはそんな僕のことを気に入ってくださって、どんどん引き上げてくださったんです。

あれよあれよという間に、4年間で400億円だった売上が4000億円になり、株価は時価総額180億円が1.4兆円にまで跳ね上がりました。5年目に柳井さんから「社長をやってくれ」と言われましたが、自信がなかったので、お断りしました。2002年のことです。

それから、2003年に流通業専門の再生支援会社を作り、ダイエー再建のスポンサー募集に名乗りを上げたんです。資金も集めて最終候補まで残りましたが落選してしまい、その会社は畳みました。それから2005年に企業経営支援コンサルティング業務や企業再生ビジネスを行う株式会社リヴァンプを設立しました。

そのリヴァンプの経営が順調に行きはじめた時に、伊藤忠から2015年末に「ファミリーマートとユニーグループ・ホールディングスが経営統合して、サークルK・サンクスがファミリーマートにブランド転換することになった。こんな大変な仕事は澤田くらいにしかできない」と連絡をいただいたんです。私は伊藤忠をやめた人間なのに、そうやって声をかけてもらえたことが嬉しかったです。小売業をやりたいと言って辞めた経緯もあったので、「やっと分かってもらえたか」と(笑)。

そして、統合で混乱の真っ只中のファミリーマートの社長に就任しました。そこでも意識したのは「顧客視点」です。社長就任前に、店長研修を受け、売り場に立ちました。現場がわからなくて、社長は務まらないと思ったからです。

原田:澤田さんのポリシーは、大企業の社長になっても変わらなかったんですね。

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ロッテベンチャーズの立ち上げ 國分氏との出会い

澤田:ファミリーマートの体制づくりには5年以上かかってしまいましたが、課題解決のためにやるべきことは終えたと思い、今年2月に最終的には顧問として退任しました。退任した時にすぐに株式会社ロッテホールディングスの代表取締役会長で、韓国ロッテグループの会長も務める重光昭夫さんから連絡をもらいました。重光さんとは、ファーストリテイリングにいた時からのお付き合いがあり、株式会社ロッテ免税店JAPANなど複数の企業の立ち上げも一緒にやってきたんです。

重光さんに「2016年に韓国でロッテベンチャーズが立ち上がり、非常にうまくいっているから日本でもそれを立ち上げたいんです。澤田さん、やってもらえないか」と言われました。私は「会長だったら受けさせてください。社長に優秀な人を探してきます」と言って、そこから社長にふさわしい人間を探している時に、國分と出会ったんです。

原田:なるほど、そこで國分さんと出会われたんですね。ここで、國分さんのご経歴についてお聞きしてもいいですか。

國分:私は新卒で旭化成に入社してから20年勤めました。旭化成では、化薬事業部というダイナマイトなどを扱う部署で建設や鉄鋼製品などの営業をした後に電子材料の部署を経験しました。その間に海外留学も経験しました。

そして、2018年からはシリコンバレーオフィスで、アメリカやカナダ、イスラエル企業への投資活動を担当させていただきました。主に不動産と建設領域をメインとするグループ会社・旭化成ホームズのCVCを立ち上げて、その責任者をしていた頃に、原田さんと出会いましたよね。金融相談をオンラインでできる企業を調べていて、モニクルさんもそのうちの一社でした。

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原田:そうでしたね。当時、國分さんが移籍されて移籍先でご一緒させていただくことになるとは想像もしていなかったのですが、澤田さんとの最初の出会いはどんな感じだったんですか?

國分:その頃、自分にとってとてもやりがいのある仕事に取り組んでいる最中に、「澤田さんという人が投資会社の社長を探しています。興味ありますか?」と、問い合わせがきたんです。最初は、「なんだこれは…」と驚きつつ、最初オンラインでお会いしましたよね。

澤田:当時、私はいろんなところに「いいやつがいたら紹介しろ!」とか言っていて(笑)。その時に、「旭化成のCVCで働いている優秀な人がいるから会ってみてください」と声がかかったので、すぐに面接したいと伝えました。

國分:最初のオンラインの面談で、1時間くらい話しました。そのうち50分は澤田さんがしゃべっていましたよね(笑)。 私は名前を名乗って以降は、「はい」とか「そうですね」くらいで。

澤田:延々と、「何でそこにいるんだ!早く来い!」みたいに言って。それくらい優秀な人間だと思ったので、その場で口説きました。本当に優秀な人間と出会えて、ありがたいと思っています。

原田:澤田さんは國分さんのどのあたりが気に入ったんですか?

澤田:CVCを立ち上げるに当たって、私は全く経験値がありませんでした。ですから、CVCでの経験がある人たちにたくさんお会いしたんですけれど、なかなか思いを共感できる人に出会えなかったんです。私は、CVCの仕事をする上で、成長意欲のあるベンチャー企業に成功してもらうためには、あくまでベンチャー企業の方を向いていたいと思っているんです。

だからこそ、投資先に対しては非常にこだわるし、投資を決めたらそこを徹底的に支援する。私も経営してきた人間なので、経営の相談にも乗れるし、支援については自分の強みを生かせると思いました。そのような姿勢に共感してくれ、かつ大企業のことも理解している人間がいいと思っていたところに、國分はまさにドンピシャでした。

國分:よかったです(笑)。

澤田:彼は本当に賢いのはもちろんですが、素直で人柄も信頼できました。彼と私だったら、多分めっちゃ面白いことができるなと思って、口説いたんですよ。1ヵ月くらいかかりましたが、口説き落としました(笑)。

原田:結構短期間だったんですね。それで、ロッテベンチャーズ・ジャパンのチームがまずできたんですね。

國分:帰国して、澤田さんと働き始めましたが、最初は圧倒されました(笑)。「シナジーは…」とか「まずは領域を設定してマップを作ってベンチャー企業を探していくんです」とか言ったら、「何年かかるんだ、それ。何社に投資するつもりなんだ」とか言われて、「1年くらいですかね?」と言ったら、「遅すぎる!」みたいな(笑)。澤田さんのスピード感についていくのに必死で、今に至るまで、とにかくできるだけたくさんのベンチャー企業の代表の方と会いまくっています。

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徹底的に顧客視点にこだわる姿勢が魅力に映った

原田:先ほど「投資先にはこだわる」というお話がありましたけれど、澤田さんの目から見た時に、モニクルの面白さってどこにあったのでしょうか?

澤田:まずは、非常に大きなマーケットがあること。どうやって自分の資産を運用すればいいかわからない人はたくさんいらっしゃいます。その人たちに対して、サービスの敷居を低くしているという印象を受けました。何より、顧客の立場に立ってサービスを提供していて「プロダクトアウト」ではなく「マーケットイン」であるところが素晴らしいと思いました。

顧客目線だからこそ、お金に不安がある人たちに対して、押し付けではなくきちんと一人ひとりに対してカスタムメイドして提供している姿勢は、シンプルに「正しい」と思ったんです。だから全力で応援したいと強く思いましたね。

原田:ありがとうございます。私たちもまさにその発想で事業を始めました。はたらく世代であるお客様に対して、実際に資産運用のアドバイスをしているワンマイルパートナーズ(モニクル子会社、現:株式会社モニクルフィナンシャル)のファイナンシャルアドバイザー(FA)も、少しでもお役に立てるようにサポートしたいと思って相談にお答えしています。そこはきちんとベクトルが合っているなと感じています。

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澤田:世の中で、いろんな経営者が自分たちの商品やサービスをさして「マーケットインできている」というけど、「本当かよ」と思っちゃうんだよね。でも、原田さんと泉田さん(CCOの泉田良輔)と食事に行った時にいろいろとお話して、「この人たち、本当にこだわってるんだな」とすごく感じましたね。きっと今後もその姿勢はブレないだろうなと思ったし、こういう人たちが絶対にいい会社を作っていくという風にすごく思いました。

そして、徹底した顧客目線は、これまで数々の会社を立ち上げたり経営してきた私にとっても、非常に大切にしてきたことです。お客様を大事にすることで、社員もストレスもなく幸せを感じながら働く環境を作ることができると思うんです。だからこそ、顧客目線は本当に大事だと思いますし、御社はそれを大事にしていると感じました。

原田:出資していただいた決め手はありますか?

澤田:私たちは、その会社がお客様をどれだけ見ているか、そしていいプロダクトを作ることにどれだけこだわっているのか、最終的にはそういったところで、出資するかどうかを決めています。また、原田さんも泉田さんも金融の専門家で、そのお二人が保険商品や証券の選定をお客様視点でしていることは大きかったですね。

お客様にとって、かゆいところにピシッと手が届いている感覚って大事じゃないですか。そういう感覚があると、やはりお客様に選ばれるサービスになると思うんです。お二人は、本当に一人ひとりの立場に立って提案していて、そこはもう絶対に曲げない芯の強さを感じています。

原田:本当に適切な資産運用は、人それぞれで違いますからね。

澤田:ただ利益を上げたいと思ったら、パッケージになっているものを売った方が楽じゃないですか。でも、そういったことはせずに、お客様一人ひとりに寄り添っているところが本当に素晴らしいなと思ったね。学びたいと思いました。

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今後、モニクルをゴリゴリ支援。全力で応援したい

原田:今回、我々としては、金融ではない事業会社のCVCから初めてご出資いただいたのですが、御社として、今後一緒にこういうことをやっていきたいということがもしあれば教えてください。

澤田:とにかく、我々のネットワークを含めて、アセットを使い倒していただきたい。私とロッテホールディングス社長の玉塚(玉塚元一氏)の二人がいれば、大体どんな会社の社長とでもつながれると思うので、いくらでもご紹介します。そして、こういうことがやりたいと事業のご相談などがあれば、喜んで乗ります。

原田:ありがとうございます。

澤田:私、事業計画を見るのがすごく好きなんですよ。なぜなら、本当にこれまでいっぱい失敗をしたからこそ、私のアンテナで「なんか違うな」と思ったら申し上げますし、壁打ち もできるので、役に立てるのが嬉しいんです。結構カフェとかで、ベンチャー企業の社長さんと会っていますね。「これは違うぞ!」とか言っています(笑)。

國分:私たちは、日韓ロッテのリソースや澤田さんのネットワークを活用して、「ベンチャー企業をゴリゴリ支援します」というコンセプトで、出資に力を入れています。そうは言っても、皆さん結構遠慮されるんですけど、ぜひ使い倒していただければと思います。

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原田:ぜひ、今後ともよろしくお願いします。

澤田:私たちも御社とお付き合いを始められて本当に嬉しく思っています。本当にロッテという会社は底力がありますし、これからもいろいろな施策を考えています。御社が仕掛けるプロダクトは非常に面白いので、これからも支援させていただきたい、一緒にできることがあれば、ぜひいろいろと考えていきたいです。

原田:本日はありがとうございました。

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参考資料

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