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【ROAD to EXPO 後編】参加者のコメントが、新プロジェクトのヒントに
創業から12年のモニクルグループ。みんなで、もっと遠くへ

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株式会社モニクルの、大阪・関西万博参加への道「ROAD TO EXPO」全3回の最終回となる後編です。最終回では、万博でステージ発表・展示を行った7月28日当日の様子を、当社取締役・証券アナリストの泉田良輔の視点からレポートしています。「まとめ」では、モニクルグループの共同創業者でもある泉田ならではの「金融教育」への思い、展示や発表でのお客さまとの交流をヒントに、新プロジェクトの議論が白熱したというお話などをお伝えしています。

 

「TEAM EXPOパビリオン」当日前夜

2025年7月27日、「TEAM EXPOパビリオン」の展示・発表の前日。

最近の夏は、突然の豪雨で東海道新幹線が運転できなくなることも多いので、万が一に備えて、前日に大阪入り。

新大阪の駅に降り立って感じたのは、「外国人の数は、大阪の方が東京より多いのでは」ということ。

もちろん、東京も大阪も外国人が新幹線の駅に必ずしも集まるわけではない。

ただ、証券アナリストとしての勤務時代も含めて、これまで何度も大阪には出張で行っている。過去の込み具合と比較しても駅のプラットフォームには外国人が多い印象だった。

「もしかして、万博って、想像以上に盛り上がっている?!」

そう感じながら、自分の中でもじわじわと万博気分は高まった。心斎橋で大阪名物の串揚げと「ミャクミャク」をモチーフにした夜パフェを堪能し、準備は万端。

宿泊先に帰ってからは、広報担当の村岡さんが作ってくれた、当日の流れや集合場所などを説明してくれていた「旅のしおり」的なガイドに目を通し、また明日の発表用資料にあらためて目を通し、早めに就寝。

わたしたちの万博は、いよいよ明日が本番だ。

本番当日、天気は晴れ。

当日は、風は強かったものの、天気は晴れ。気温は予想でも35度を超える状況。

私の当日の集合時間は午後2時だったが、GB室のみんなやCTO室で関西在住の足立さんが、暑い中、展示の運営をしてくれているので、午前中に現地に向かうことにした。

村岡さんから「関係者PASSを絶対に忘れないでくださいね」「もし忘れたら一般の人と同様にチケットを購入し、順番待ちしてからの入場となります」「そうなると発表時間に間に合わない事があるかもしれません」と何度も言われていたので、あらためてそのPASSを確認して宿を出発。

本町駅で大阪メトロ・中央線に乗り、いざ万博が開催されている夢洲駅へ。

夢洲駅は中央線の終点。基本的には万博に向かう人しか降りない。万博会場以外には、それらしいスポットがない。夢洲駅は万博会場の東ゲートと直結しており、広々とした改札を抜け、エスカレーターを上ると東ゲートが見える。

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私たちが展示と発表を行うフューチャーライフヴィレッジのエリアは西ゲートが最寄りなのだが、バス移動が不安だったので地下鉄を利用することにした。

地上に出るとすぐに東ゲートの「関係者入口」の案内が出ており、その案内に従って進んでいく。その先のゲートでPASSのQRコードを読み込ませ、無事入場。

西ゲートへは、多少遠回りになるけれども日差しをよけて大屋根リングの下を進むルートと、大屋根リングを貫くように直進するルートの選択肢があった。大屋根リングは夕方になってから登ろうと思ったので、まずは直進をして現地の到着を急ぐことにした。

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展示場所に着くまでに見た中で一番行列が長かったのが、「ミャクミャク」くじだ。「ミャクミャク」が公式キャラクターとして紹介された当初は、ネガティブに評価されることも多かったが、実際に万博が始まってみると、そうした予想を裏切り大人気である。

ちなみに、このくじに当たると、巨大な「ミャクミャク」のぬいぐるみがもらえる。当社のメンバーも、空き時間に列に並んでくじを引いていた。

グーグルマップを頼りに、西ゲートを右手に通過し、今回当社が展示をしている場所にようやくたどり着いた。東ゲートから入場して炎天下の中を20分くらいは歩いたかと思う。この時は「大屋根リングって、日差し除けだったんだ…」と思わざるを得なかった。

展示場所では、先に会場入りしていたメンバーがお客様の対応をしてくれていた。最近では35度越えは珍しくはなくなったが、そうはいっても一日屋外にいることを考えると熱中症などの危険もあり、大変な状況だ。事務局が参加者向けに、空調がきいている部屋を用意してくれていたので、そこで交代で涼みながらの対応となっていた。

GB室のメンバーとCTO室の足立さんは午前7時に集合し、事務局との打ち合わせからはじまり、設営準備を行ってくれていた。本当にありがたいことだ。

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当社の発表時間は午後4時からなので、その間、適当に展示に来るお客さんとメンバーのやり取りや、周辺の展示の様子を見たり、また近くで昼食をとりながら待つことにした。

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特別収録のゲストはファンドアナリストの篠田尚子さん

さて、ここまで特別収録のゲストは誰なのか、ということについては触れずにきた。

一方、今回のポッドキャストを企画し、進行する中で、実は最初からゲストのイメージはメンバーの中では温めてきてはいた。

そのゲストとは、篠田尚子さんだ。

篠田さんは、長らく楽天証券でファンドアナリストとして活躍し、個人投資家向けの資産運用セミナーなどではおなじみの人だ。

私と篠田さんとは10年近くの知り合いで、当初は「ゲスト」として今回の特別収録にお呼びするつもりだった。

篠田さんとの最初の出会いは、モニクルの前身の会社で投資情報を楽天証券さんに提供していた関係からご一緒させていただいた時だったかと思う。その後も他のメディアでご一緒させていただく機会も幾度かあったが、ご縁があって、2025年5月にモニクルに入社することに。

つまり、当初はゲストをお呼びするはずが、万博の発表当日は同僚同士ということになったのである。

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当日の発表は「15分で学ぶ!社会人のためのマネーHOW TO」の特別回として収録を行い、ポッドキャストとして公開もするという企画だ。

発表のタイトルは、万博に来場している方のどなたでも興味を持っていただけるように最近の物価高と資産運用を関連付けるものにした。

タイトルはズバリ「物価高に投資がいいってホント?」。

当日は、篠田さんとは事前に空調がしっかりときいた管理棟で軽く打ち合わせをし、あとは発表を待つばかりだ。

篠田さんは、大勢の前でプレゼンすることに慣れているので、脚本などはほとんどいらないのがすごいところである。

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また今回は、篠田さんも所属しているモニクル総研が運営する金融経済YouTubeチャンネル「ミライド」の収録も兼ねていることから、モニクルの執行役員で経営企画室長である木村敬子さんにも参加してもらった。

私と木村さんとは前職のフィデリティ投信でテクノロジーセクターを担当する証券アナリストとして同僚だった。その後、私はモニクルの前身となる会社を立ち上げ、木村さんはグーグルへ転職をして、一旦は別々の道を歩むことになるが、2024年にモニクルに入社ということで、またご一緒させていただくことに。

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考えてみれば、お互い20代の頃からの知り合いなので、もう20年?30年?くらいの付き合いということにはなる。人生とは不思議なものだ。

当日の様子は、ぜひこちらを参考にしてほしい。

さて、本番は午後4時だ。

この巨大な万博会場で、本当に自分たちの発表に耳を傾けてくれる人がいるのか不安なままだった。

発表では、立ち見も!

本番15分前くらいには、発表会場の裏にある控室で、現場の放送や音声を担当するスタッフとの軽い打ち合わせを行った。

さあ、あとは開始時間を待つだけ、という状態となったが、直前になり、放送するためのシステムのアップデートが始まってしまうというハプニングがあり、発表開始時間が遅れることとなった。

システムアップデートも終わり、機材の準備が整い、いざ本番。

お笑い芸人の登場よろしく、「どーも」という感じで舞台へ。

会場を見渡すと、設置してある椅子は埋まり、その後ろには立ち見の人もいる。

私たちの話を聞いてくれる人はいるかなという不安は消え、ここに参加していただいている方に楽しんで帰ってもらいたいという気持ちに一瞬で切り替わった。

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自分の自己紹介を終え、篠田さんの紹介がすむと「ひゅーっ」という大きな歓声が上がった。

その時は不思議だったのだが、後でわかったことだが、篠田さんの友人や中学・高校の同級生が海外から応援に駆けつけていたのだ。万博会場というアウェイ感も薄れ、自分たちの土俵という雰囲気でプレゼンも時間通り進めることができた。

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発表は「インフレに負けない投資ができれば及第点」というメッセージを伝えるという狙いがあった。

その中で、以下のようなテーマで話を進めて行った。

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物価に関するクイズをきっかけに発表がスタート。

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相場の歴史をおさえつつ…

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二人の投資のコツなどもお伝えした。

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発表最後には拍手もあり、大変ありがたかった。

こうして、私たちの万博発表を無事終えることができた。

発表の最後に質疑応答の時間を設けていた。その時には手が挙がらなかったが、発表を終えた後、参加者の一人で、初老の男性が私に近づいてこられた。

話を伺うと、なんでも私たちの発表のために、今日は万博に来られたようだ。よくぞ私たちの発表を事前に見つけていただいたと感じ入った。

ご自身と家族の投資についての質問で、私が直接お答えできる内容ではなかったが、投資の悩みは人ぞれぞれだとあらためて思った。新NISAでインデックスファンドをつみたて投資するだけが資産運用ではない。そうしたアプローチは基本としても、人ごと、世帯ごとに資産運用の課題と解決方法がある。

参加者との会話から新しいサービスのヒントをもらいつつ、発表の時間を終えた。

参加者がはけられた後、役員、GB室メンバー、CTO室足立さん、当日参加していた社員で記念撮影をし、今回のプロジェクトはいったん終了。

その時には、日は傾き、少し涼しくなっていた。

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大屋根リングには登れず、本町で打ち上げと新企画

GB室のメンバーは、その後も現地に残って展示の対応をする必要があったため、いったん解散し、それ以外のメンバーは帰路につくことになった。

モニクル創業メンバーの原田さんと瓜田さんも発表には参加していたので、せっかくなので三人で大屋根リングに登って帰ろうよ、と話をし、大屋根リングに向かった。

しかし、大屋根リングに登れるエレベーターに向かうと、なんと利用できなかった。

当日の夜は盆踊りイベントがあり、事前に参加登録をしている人しか大屋根リングに登れないとのことだった。

残念!とは思いつつも、みんな暑さでくたくただったので、夕日が沈む海を見つつ、大屋根リングに沿って歩き、東ゲートに向かった。

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夢洲駅について、地下鉄が動き出すまで時間があったので、「何食べる?」と三人で話し合い、「せっかくなのでお肉にしますか」ということになった。

瓜田さんに「いい感じの店をお願いします」とお願いをして、乗り換えができる本町まで向かうことに。

焼き肉をいただきつつ、三人の会話の内容は今日の参加者のコメントをもとに次のサービスの内容を詰めるという展開になった。

三人で集まってもほとんどは仕事の話だ。ちなみに瓜田さんが次の新サービスのプロジェクトマネージャーなので、議論にも熱が入った。瓜田さんは下戸なので、飲みの席でも酔うということが一切ない。次はあれをしよう、これはどうしよう、という話が進んだ。

ひとしきり議論をして、解散となった。

時間はまだ午後9時をちょっと回ったくらいだったかと思う。

疲れがたまっており酔いがいつもよりも回っていた。私は酔いを醒まそうと、コンビニでコーヒーを買って帰り、宿泊先の部屋でひとり一日を振り返った。

まとめにかえて

12年前に自分が万博で投資の話をしているなど、想像だにしていなかった。

起業してからの期間が、機関投資家としてのキャリアとちょうど同じになった。もうちょっとすると経営者としての時間の方が長くなる。

原田さんと私、そして二人それぞれの同級生の計4人で始めた会社が、いまやグループ全体で150人近いメンバーがいる会社となった。

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私個人としては大学での専攻や仕事選びも「投資」にこだわってきた。

ただ、起業した後は、自分に求められる役割は「金融教育」や「投資教育」なのかなと少しずつ思うようになってきた。変な話ではあるが、はじめから自分で強く思っていたわけではない。事業を選択してきた流れでそうなったというのが正直なところだ。

モニクルの原点は、投資情報サービスで起業したナビゲータープラットフォーム(現モニクルリサーチ)だ。創業が2013年だったので、最初の起業からすでに12年が経過している。

その間に、2014年にNISAがスタートし、18年にはつみたてNISA、そして24年には新NISAと、投資の制度の拡充と展開は大きく進んできた。

12年前に、日本のこうした変化を正確に想像できていたわけではない。正直、思った以上に私たちの投資を取り巻く環境は「前向きに」変わったという印象だ。

ただ、その間に日本の経済も大きく変化している。

その背景は日本の人口動態と産業構造の変化だ。

少子高齢化が進み、製造業が強かった日本のポジションは急速に崩れ落ちつつある。

潤沢な労働力、効率的な製造業を背景に、モノを作って輸出し、稼ぐというモデルはもはや賞味期限切れ目前だ。

そして日本に突きつけられている課題は、「過去に稼いで貯めた資産を、どう運用し、収益を得るか」ということだ。個人ベースでいうと「労働者から投資家」へのマインドセットの切り替えが必要ということだ。

そのためには金融教育をきっかけとして、日本国民の多くが「グローバルインベスター」として、世界中の様々な投資機会に触れ、それらを収益機会に変えていかなければならない。

そう考えると、日本の金融教育は十分とは言えない。

今回は万博で発表という機会を得て、日本の金融教育に少しでも貢献できればと発表を行った。また、私たちの普段の活動が今後も多くの人に届くことを願っている。

そして、最後に、今回、私たちの取り組みに関わってくださったすべての方に感謝をしたい。

特に、貴重な機会をくださった事務局の皆様には本当に感謝しかありません。

また、長期間の準備と完璧にやり遂げてくれたGB室メンバー、CTO室スタッフ、篠田さん、木村さん、本当にありがとう!

「早くいきたければひとりで行け、遠くへ行きたければみんなで行け」

12年間で自分だけではなく、会社を含めて、この言葉通りに変わってきたと強く思う。【完】

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株式会社モニクル
取締役 グループ戦略担当

泉田 良輔 Ryosuke Izumida

慶應義塾大学卒業後、日本生命保険、フィデリティ投信で外国株式や日本株式のポートフォリオマネージャーや証券アナリストとして勤務。2013年3月、株式会社ナビゲータープラットフォーム(現:株式会社モニクルリサーチ)を共同設立し、取締役に就任(現在は代表取締役)。2018年11月、株式会社OneMile Partners(現:株式会社モニクルフィナンシャル)を共同設立し、取締役に就任。2021年10月、ナビゲータープラットフォームとOneMile Partnersの親会社として、株式会社モニクルを設立し、取締役に就任。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。東京科学大学大学院非常勤講師。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科修士課程修了。著書に「銀行はこれからどうなるのか」「Google vs トヨタ」「機関投資家だけが知っている『予想』のいらない株式投資法」など

 

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