音声メディア『モニクルラジオ』がお届けする金融教育ポッドキャスト「15分で学ぶ!社会人のマネーHOW TO」は、「これだけおさえておけば、お金で大ケガをしない!」をコンセプトに、全50回のプログラムを配信しています。この番組では、学校の金融教育カリキュラムを作る際にも使用されている「金融リテラシー・マップ」にまとめられている項目を踏まえながら、金融知識をひとつずつ学んでいきます。
今回は、第39回の「保険商品 #1 保険商品を知ろう!①保険には、どんな種類がある?保険料の仕組みは?【第39話】」でお話しした内容を記事としてお届けします。
保険には「公的保険」と「民間保険」があります。「公的保険」は「国民健康保険」「国民年金」など国や自治体が運営している保険で、「社会保険」とも呼ばれています。社会保険については別の回でお話しているので、そちらもあわせて聴き直してみてください。
日本の社会保険制度は比較的充実していますが、近年は高額療養費制度の見直しなどが議論されており、決して安泰な状況とはいえません。そうした背景も踏まえ、民間保険について理解しておくことが大切です。今回は、この民間保険について詳しく解説していきます。
民間保険への加入は任意ですが、私自身はいろいろと活用しています。生命保険や自動車保険、地震保険、火災保険、最近では自転車保険にも加入しました。備えておくと安心感がありますね。
個人的には、保険の見直しは定期的に必要だと感じています。
はい。保険会社から日々良い商品が出ていますし、保険料が下がったり、保障内容がよくなる場合もあります。自分自身でも経験しました。
そうですね。投資は資産形成において重要な手法ですが、積み立て投資は「ずっと同じペースで投資を続けられること」が前提となっています。保険は「保障」ですね。
以前に、投資で老後資金を作るときには「まず時間を味方に付けましょう」という話をしましたが、覚えていますか?
その通りです。特に、初心者が始めやすくリスク分散もできる積み立て投資は、早めにスタートしておくと複利の効果を有効活用できますね。
同じように、保険も若い時からきちんと入っておいた方が良いと考えています。
まず保険料ですが、原則として若い時の方がコストを抑えられます。
健康状態は人それぞれで一概には言えませんが、年齢が上がると健康診断の結果しだいで保険料が上がったり、場合によっては加入できないケースも出てくる傾向があります。
あとは、若い時からきちんと考える習慣を身に着けておくことも大切です。投資もそうですが、経験によって培われる考え方がありますよね。
投資も保険も難しいのは、どの商品がベストかは人によって全く異なるという点です。特に保険は、その人の状況がより反映されます。
その通りです。投資と保障のバランスを適切に考えるには、やはりライフプランニングが大切だと改めて感じています。
保険は、まず大きく3種類に分けられます。
- 生命保険
- 損害保険
- 第三分野の保険
「生命保険」は、人の生死に対して保険金が支払われる「第一分野の保険」です。一番なじみのある保険ではないでしょうか。
「損害保険」、いわゆる損保は、自動車保険や火災保険、地震保険など、事故などの損害額を対象とした保険です。「第二分野の保険」と呼ばれています。
そして「第三分野の保険」には、医療保険・傷害保険・介護保険・がん保険などが該当します。ケガや手術での入院で保険金が支払われるのは、この第三分野の医療保険や傷害保険です。
最初に第一分野と第二分野があり、どちらにも該当しないものが第三分野の中にカテゴライズされています。人の生死以外の病気やケガが対象で、第一分野と第二分野の中間に位置するようなイメージですね。
第一分野は生命保険会社のみ取り扱い可能、第二分野は損害保険会社のみが取り扱い可能です。第三分野は、生命保険会社と損害保険会社のどちらでも取り扱えます。
生命保険と医療保険が混ざっている商品もありますし、第三分野の保険は、生命保険と損害保険のどちらかのカテゴリに振り分けて説明される場合もありますが、基本的にはこのような分け方があると覚えておくと良いでしょう。
保険会社と直接契約することもできます。その場合、商品を最もよく知っているという点がメリットですね。
ただ、一見同じように見える保険でも、契約内容をよく見ると違う場合もあります。いろいろな商品を扱える代理店の方が、比較検討しやすいかもしれませんね。
個人的に行ったことがありますが、商品を売りつけられることはないので、フラットに相談してみるのが良いのではないかと思います。
私は以前、保険会社に所属していたことがありますが、自分に合っている保険を自力で調べて契約するのは、なかなか大変だと思います。
そうですね。基本的に、健康診断や人間ドックの結果や、病歴の提出などが求められます。
保険は「相互扶助」という仕組みです。誰もが健康リスクを抱える可能性があるので、「お互いにお金を出し合って、万が一の時のために備えよう」というのが保険という制度の発想です。
ただし、死亡や事故の発生率は人によって異なるため、全員が同じ保険料で、同じ保障を受けるのは不公平となってしまいます。そのため、保険料は「予定死亡率」を元に算出されます。過去の統計データを元に、性別や年齢別の死亡率を予測し、各保険会社がその数字をもとに、保険料を決めていきます。
年齢が上がると保険料が上がる理由は、こういうところにあります。
保険の仕組みを機能させるために必要な計算です。保険会社は保険料から収益を得て、その収益を財源として資産運用しています。
私が日本生命に所属していた時は、資産運用を担当する部署にいました。ポートフォリオマネージャーとしてお客様から預かった保険料を運用し、保険金をきちんと支払える体制を作っていました。
保険会社としては、予定利率を上げられそうであれば、保険料を安くできます。逆に、予定利率が下がってしまう場合は、保険料が上がります。
また、ここにも「金利」が影響しています。保険商品の予定利率は、金融庁が長期金利をもとに毎年発表している「標準利率」を参考にして決まります。
そのため、長期金利が上がると、予定利率も上がり、保険料が安くなる傾向があり、逆も同様です。ただし、予定利率は各保険会社が決めるため、全社が一律の対応をするわけではありません。加入時の金利によって、支払う保険料が変わる場合もあるということです。