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投資信託を知ろう!③ファンドと投資信託、どう違う?インデックスファンド、アクティブファンドとは?【第29話】
資産形成商品#3

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ポッドキャストを聴く(資産形成商品#3 投資信託を知ろう!③ファンドと投資信託、どう違う?インデックスファンド、アクティブファンドとは?【第29話】)

はじめに

音声メディア『モニクルラジオ』がお届けする金融教育ポッドキャスト「15分で学ぶ!社会人のマネーHOW TO」は、「これだけおさえておけば、お金で大ケガをしない!」をコンセプトに、全50回のプログラムを配信しています。この番組では、学校の金融教育カリキュラムを作る際にも使用されている「金融リテラシー・マップ」にまとめられている項目を踏まえながら、金融知識をひとつずつ学んでいきます。

今回は、第29回の「資産形成商品#3 投資信託を知ろう!③ファンドと投資信託、どう違う?インデックスファンド、アクティブファンドとは?【第29話】」でお話しした内容を記事としてお届けします。

「ファンド」と「投資信託」の違いとは?

今日のテーマも前回に引き続き、「投資信託」についてです。

今回は、いま多くの皆さんに注目されているインデックスファンドや、いまいち使い方が分からないという声も多いアクティブファンドの話などをしていきたいと思います。

そもそも、ファンドと投資信託は同じ意味なのでしょうか?

はい、基本的には同じで「資金が集まったもの」を指します。

厳密には、ファンドの中に投資信託が含まれるのですが、一般の個人投資家にとっては「ファンド=投資信託」と理解していただいて問題ありません。

株価の銘柄のように、投資信託の名前のことを「ファンド名」とよびます。これは投資信託の商品名のことで、新NISA制度の投資信託一覧にも、「ファンド名称」という項目があります。

知っておきたい二種類のファンド

投資信託以外のファンドには、どういうものがあるのでしょうか。

ファンドには、主に「公募ファンド」と「私募ファンド」の二種類があります。

金融機関を通して、多数の投資家が購入できる投資信託が「公募ファンド」です。

一方で、「私募ファンド」という、限られた投資家だけが投資できるファンドも存在します。募集対象人数が50人未満のもので、たとえば「ヘッジファンド」が有名です。高額投資をする人限定のファンドで、プライベートに募集されるため私募ファンドと呼ばれます。ただ、最近ではヘッジファンドも投資戦略としてのヘッジファンドという意味もあり、多数の投資家に開放されているものもあります。

とはいえ、私募ファンドに一般の投資家が関わることはまずないので、公募ファンドのほうを覚えておきましょう。投資初心者が一番知っておくべきなのは、やはり投資信託ですね。

投資信託には「目論見書」というものがあり、運用方針や商品設計、利益分配の条件、投資条件などが記されています。「この内容を確認したうえで、このファンドにお金を預けますか?」という確認書ですね。

運用会社が設計したコンセプトに賛同した投資家からお金を募って、そのお金を元に「投資信託」が生まれ、運用されます。

ちなみに、ファンドには「愛称」という、いわゆるニックネームがついているものもあります。ファンド名は長いものが多いんですよ。

新NISA制度の投資信託一覧のリストを見ると、確かにどれも名前が長いなと思いました。例えば、よく耳にする「オルカン」も愛称なのでしょうか。

いえ、オルカンは違います。オルカンは、インデックス(株価指数)の名前の略称です。正式には「MSCI All Country World Index(オール・カントリー・ワールド指数)」といいます。以前は、金融業界では「アクワイ」と呼ぶ人もいましたが、最近ではオルカン呼びが主流になりましたね。

「オルカン」をベンチマークにしたインデックスファンドは総じてそう呼ばれますが、中でも三菱UFJアセットマネジメントの「eMAXISシリーズ」は代表例です。信託報酬が安くて有名ですが、ほかの運用会社の商品も基本的には同じです。

愛称があると知っておくと、新聞を読むときにも分かりやすいですね。

はい。ちなみに、まったく元の名前が分からないファンド愛称もあったりします。ですが、新聞などで見ていくうちになじんでくると思います。

資産形成の初心者は言葉でつまずくこともあるので、そこをきちんとおさえていくのは大事ですね。

金融業界では、略称や通称というものがよく登場します。投資信託も、略して「投信」とよぶことがあります。

安定志向のインデックスと高リターン狙いのアクティブ

「インデックスファンド」と「アクティブファンド」という言葉もよく聞くので、整理しておきたいです。

それぞれ運用方針が異なります。投資信託の運用方針は、「パッシブ運用」と「アクティブ運用」の二つに大きく分けられます。

パッシブ運用されるファンドが「インデックスファンド(パッシブファンド)」、アクティブ運用されるファンドは「アクティブファンド」と呼ばれています。

まず、インデックスファンドですが、ベンチマークと同じようなパフォーマンスが再現できるように工夫されている投資信託です。

一方で、アクティブファンドは、ベンチマークを上回る成果を目指して運用されている投資信託です。

先ほど出てきたオルカンはインデックス、つまり指標です。インデックスファンドとアクティブファンドの両方で、目安として使われています。この指標を運用の世界で「ベンチマーク」といいます。

インデックスについて、もう少し詳しく教えてください。

インデックスとは、株式のことであれば「株価指数」のことです。インデックスファンドは、この株価指数に連動した値動きを再現するように運用される投資信託を指します。

株価指数について、日本取引所グループの定義を見てみましょう。

株価指数とは、一言でいえば、上場銘柄全体をあらわす指標です。株式市場全体が上がったか下がったかを見る物差しと考えれば理解しやすいでしょう。

日本取引所グループ

つまり、市場を把握する物差しですね。具体的には、TOPIXとか日経平均株価、S&P500などですが、聞いたことはありますか?

はい、あります。

日経平均株価は、上場している225銘柄の株価を元に、日本経済新聞社が算出した平均値です。市場の全体的な動きが、この株価指数の値動きを見ると分かります。

つまり、市場の平均的な値動きを再現して運用する投資信託のことを「インデックスファンド」といいます。

日本株式だと、TOPIXに連動するインデックスファンド、日経平均に連動するインデックスファンドがある、ということでしょうか。

はい、その通りです。前に、「インデックスファンドは、どの運用会社でも全部一緒ではなく、実は微妙に違う」という話をしました。

つまり、各社が同じような商品を出しているということです。矛盾したことを言うようですが、運用結果にあまり差はないので、だいたい同じような商品だと理解してください。

では、アクティブファンドについて教えてください。

アクティブファンドは、各運用会社の腕の見せ所ですね。「インデックスを上回るリターンを狙おう」と、ファンドマネージャーやポートフォリオマネージャーが頑張るわけです。

人がたくさん介在して情報を収集して、ベンチマークを上回るようなリターンを出そうと運用するので、運用コストが高くなる傾向があります。

一方で、インデックスファンドは、市場の値動きに沿うので、運用成果は、運用者の手腕にあまり左右されませんし、運用の手間もアクティブファンドに比べるとかかりません。そのため、手数料が安いのが特徴です。

泉田さんは、以前に日本株式と海外株式のポートフォリオマネージャーをされていましたが、アクティブファンドを運用されていたのですか?

そうですね。「インデックスを上回るリターンを狙う」運用の仕事をしていました。

泉田さんの視点で、インデックスとアクティブの手ごたえやポイントなどはいかがでしょうか。「インデックスは無難」「アクティブはインデックスを越えられない」など、いろいろいわれています。

私自身は、インデックスファンドもアクティブファンドもどちらも保有しています。インデックスファンドは市場をとらえるという意味では便利な金融商品です。手数料も安いですし、ベンチマークに対して大きく勝ったり負けたりもありません。ただ、逆にいうと特徴がないんです。

アクティブファンドは、運用会社の方針が明確に出ます。そこに賛同したいということであれば、リスクをとり、リターンを得ることもできます。

どちらにもそれぞれメリットがあるので、インデックスとアクティブ、どちらも組み合わせるといいのではないでしょうか。

いまは株式の話でしたが、インデックスは債券市場などにもあるのでしょうか。

はい、あります。債券のインデックスは、国内の債券であれば、「NOMURA-BPI総合」といったものがありますし、ボンド・インデックス、REITでは、日本のREITであれば、「J-REIT」という指数があります。

インデックスは、株式に限らないんですね。

そうですね。あとは、「バランス型ファンド(バランスファンド)」という言葉もよく聞くかもしれません。

先ほどの「インデックス」と「アクティブ」は、ファンドの運用方針のことですが、「バランス型ファンド」は、組み入れ資産が複数入っているファンドのことです。

「日本株式、先進国株、新興国株、日本債券」など、いろいろな種類の資産を分散してポートフォリオにしています。逆に、「日本株式のみのファンド」などもあります。

初心者は、まずインデックスファンドを試してみると、値動きの雰囲気に慣れることができると思いますよ。商品の選び方は、それぞれの資産形成の方針や経験値によって変わるということです。

第29話のまとめ

  • ファンドとは、資金が集まったものを指す。初心者は「投資信託」の意味で理解してOK
  • インデックスファンドとアクティブファンドは、運用方針が違う。インデックスファンドの運用方針をパッシブ運用、アクティブファンドの運用をアクティブ運用と呼ぶ
  • インデックスとは「指標」のこと。インデックスファンドとアクティブファンドで共通して使われる。インデックスのことを「ベンチマーク」という
  • インデックスファンドは、ベンチマークと同じようなパフォーマンスを再現できるように工夫されている投資信託のこと
  • アクティブファンドは、ベンチマークを上回るようなリターンを狙って運用される投資信託のこと。

パーソナリティー:泉田良輔プロフィール

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株式会社モニクル
取締役 グループ戦略担当

泉田 良輔 Ryosuke Izumida

慶応義塾大学卒業後、日本生命保険、フィデリティ投信で外国株式や日本株式のポートフォリオマネージャーや証券アナリストとして勤務。2013年3月、株式会社ナビゲータープラットフォーム(現:株式会社モニクルリサーチ)を共同設立し、取締役に就任(現在は代表取締役)。2018年11月、株式会社OneMile Partners(現:株式会社モニクルフィナンシャル)を共同設立し、取締役に就任。2021年10月、ナビゲータープラットフォームとOneMile Partnersの親会社として、株式会社モニクルを設立し、取締役に就任。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。東京科学大学大学院非常勤講師。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科修士課程修了。著書に「銀行はこれからどうなるのか」「Google vs トヨタ」「機関投資家だけが知っている『予想』のいらない株式投資法」など

 

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