音声メディア『モニクルラジオ』がお届けする金融教育ポッドキャスト「15分で学ぶ!社会人のマネーHOW TO」は、「これだけおさえておけば、お金で大ケガをしない!」をコンセプトに、全50回のプログラムを配信しています。この番組では、学校の金融教育カリキュラムを作る際にも使用されている「金融リテラシー・マップ」にまとめられている項目を踏まえながら、金融知識をひとつずつ学んでいきます。
今回は、第28回の「資産形成商品#2 投資信託を知ろう!②投資信託の値段「基準価額」はどう決まる?投資信託で利益が出る仕組みとは?【第28話】」でお話しした内容を記事としてお届けします。
その通りです。投資信託は「口(くち)」という単位で購入します。また、一口あたりの値段を「基準価額(きじゅんかがく)」と呼びます。基準「価格」(きじゅんかかく)ではありません。
新聞や商品の運用実績ページに記載されている基準価額は、分かりやすく「1万口単位」になっていることが多いです。
例えば、1万口の基準価額が3万円の場合、一口あたりの値段は3円です。100円から購入可能な場合には、300円投資すると100口買えます。なお、購入可能な数量は、商品の「申し込み単位」という項目で確認できます。
投資信託は、最初は「1口1円」で設定されることが多いです。それを1万口で換算したものが基準価額となるので、最初の基準価額は1万円からスタートします。
その後、運用していく中で毎日資産価格が変動しますが、投資信託の運用資産総額を全体の口数で割ることで1口当たりの価格が出ます。それを1万口分、つまり1万倍すると基準価額となります。
また、投資信託の運用資産全体のことを「純資産総額」とよんでいます。
はい、相場が開いている場合は終値で決まります。日本では、東京証券取引所が閉まる午後3時半の終値で基準価額が算出される資産価格となり、運用会社が当日午後8時までに算出します。
海外資産については、一営業日前から当日の早朝に取得できる、各海外市場の終値で計算されます。
また、海外資産の場合、基準価額の算出に「為替レート」も必要です。通常は、基準価額を計算する当日の午前10時頃のレートが使用されます。
このように計算された基準価額が、毎日の投資信託の価格となります。
投資信託による利益には、「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」があります。どちらも株式や債券など、金融商品全般に当てはまる言葉です。
「インカムゲイン」とは、資産を持っていることで得られる利益です。投資信託なら収益分配金、株式なら配当金、債券なら利子と呼ばれます。
「キャピタルゲイン」とは、金融資産を売却した際に、購入時よりも高値で売却できた場合に得られる利益を指します。
ここでは投資信託の分配金に絞ってお話ししますが、分配金は通常、投資信託の決算日に現金で支払われます。
投資信託には企業と同じように決算日があり、「毎月・3ヵ月・半年・1年ごと」など、商品によってタイミングが異なります。
決算日には、分配金が支払われるほか、損益・資産の状況が計算され報告されます。
はい。一方で、分配金は支払われないこともあります。支払うと、その投資信託で運用する資金が減ります。また、投資家の選択により、そのまま再投資にまわす場合があります。
分配金を出さない投資信託もありますし、受け取りを選べるタイプもあります。
長期運用であれば、複利の効果を狙って「分配金なし」がいいでしょうね。資産形成ができていない場合は、分配金を受け取りながら運用すると、なかなか資産が増えません。分配金を受け取りながらの運用は、ある程度資産形成できている人の方が相性が良いでしょう。
ちなみに、新NISA制度のつみたて投資枠の対象商品は、毎月分配型ではないものが選ばれています。新NISAは長期で資産形成することを目的としているからです。
投資信託の基準価額は、株式・債券・金・REIT(不動産)など、それぞれの価格変動に影響を受けます。複雑な要素が絡み合っていますが、そこをコントロールするのが運用担当者であるファンドマネージャーの腕の見せ所ですね。