音声メディア『モニクルラジオ』がお届けする金融教育ポッドキャスト「15分で学ぶ!社会人のマネーHOW TO」は、「これだけおさえておけば、お金で大ケガをしない!」をコンセプトに、全50回のプログラムを配信しています。この番組では、学校の金融教育カリキュラムを作る際にも使用されている「金融リテラシー・マップ」にまとめられている項目を踏まえながら、金融知識をひとつずつ学んでいきます。
今回は、第9回の「代表的な金融商品を知ろう!預貯金・有価証券・保険など」でお話した内容を記事としてお届けします。
これまでに「金融商品」という言葉が何度も登場しているので、ここでどのような種類があるのかを整理しておきたいと思います。
金融商品といえば、株式や国債の所有者に発行される「株券」や「債券」がありますが、以前は紙に印刷されていました。
現在は「株券電子化」によってペーパーレス化され、電子的に発行されています。私も2000年から米国株式運用の仕事に就いていましたが、実物の株券を見たことはありません。
復習しておきましょう。金融資産とは何でしたか?
その通りです。金融商品は簡単にいうと「金融に関係する商品」のことです。
私は金融論を学んできましたが、その中では「金融資産」という呼び方が一般的です。実は「金融商品」という項目は金融論の用語集にはなく、やや俗称的なニュアンスがあります。私なりに定義すると、「名義があり、明確な金融資産」といえると思います。
そうですね。ただ、これは私の考えなので、公的な資料も確認してみました。企業会計基準委員会が発行している「金融商品に関する会計基準」では、「金融資産、金融負債及びデリバティブ取引に係る契約を総称して金融商品ということにする」と記載されています。「ということにする」とあるように、やはり人によって定義が異なることが分かります。
さらに読み進めると、「金融商品には複数種類の金融資産又は金融負債が組み合わされているもの(複合金融商品)も含まれる」と説明されています。つまり、金融資産よりも広い概念であることが分かりますね。
具体的には、「預貯金、信託、公社債、株式、投資信託、保険・共済、商品先物、金など」が挙げられています。これらは金融資産とほぼ同じものと考えてよさそうです。
まずは預貯金です。銀行やゆうちょ銀行に預けるお金のことですね。実は、銀行は「預金」、ゆうちょ銀行では「貯金」と呼びます。これは郵政民営化前の国営時代の名残りです。
次に、有価証券です。株式や債券などのことを指します。以前は紙で発行されていましたが、現在は電子化されています。
保険も金融商品に含まれます。契約時に「保険証書」という名義付きの契約書が発行されます。
さらに、先物取引もあります。これは「デリバティブズ」と呼ばれ、値動きのリスクを分散させるための金融派生商品です。リスクの移転や再配分ができる仕組みになっています。一般の方が直接扱うことは少ないので、また別の機会に詳しく説明しますね。
また、誤解されやすいものに不動産があります。名義があるものの、実物資産に分類されます。
金も少し特殊で、名義が必要ないため実物資産に該当します。ただし、「金融商品に関する会計基準」では金融商品にも含まれます。
金融商品はリスクで分類すると理解しやすくなります。
預貯金は、ひとり1000万円(と破綻日までの利息)まで預金保険機構によって保護されます。 銀行が倒産しても預金は保護されますが、それ以上の額は自己責任となります。ゆうちょ銀行は預金保険の対象ですが、外貨預金などの一部商品は保護対象外です。
これは銀行が加入する保険なので、個人で入る必要はありません。
次に、有価証券ですが、値動きのリスクがあります。株式の場合は企業が倒産すると価値がなくなる可能性もあります。
保険は、保険会社が倒産するリスクがあります。保険契約者保護機構によって最大7割まで補償されますが、全額補償ではありません。