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モニクルが高校生向けに金融教育の特別講座をオンラインで実施
金融の専門家が語る、子どもの経済的自立の育み方

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近年、高等学校での「金融教育」が本格化し、子どもたちのお金に関する学びへの関心も高まっています。

そうした中、立命館守山高等学校の「探究活動」の授業で、「子どもが将来お金に困らない力を育むには?」をテーマに研究する2年生のHさんとSさんから、モニクルに取材の依頼が寄せられました。

金融教育の重要性が高まる中、子どもたちに必要なのは、どのような教育なのでしょうか。今回は、金融のプロフェッショナルであり、アナリストとして活動するモニクルの取締役・泉田良輔が、高校生の率直な疑問にオンラインで答えたインタビューの模様をお届けします。

「子どもが将来お金に困らない力を育むには?」

Sさん:本日はよろしくお願いします。私は「子どもが将来お金に困らない力を育むには?」をテーマに研究しているのですが、まずはじめに「親が子に対してどのような『教育投資』をするべきか」について、泉田さんはどうお考えですか?
泉田:教育「投資」となると、お金が関わる経済的な面に関わってきますよね。それを踏まえると、子どもが学生の間に親ができる「教育投資」には、2つのステップがあるのではないでしょうか。

1つ目のステップは、「世の中にはこういう選択肢があるよ」と幅広く見せて、考えるヒントを提供すること。まずは、その子に合う・合わないは別として、提示することが重要だと思います。

そして、次のステップとしては、子どもが「これを選びたい」と決めた時に、そのチャンスをつかめるように可能な限り経済的にサポートすること。これが親ができる「教育投資」だと思います。

二人は、今後大学への進学を希望しているそうですが、進学先の大学や学部を選ぶにあたっても、「どんな選択肢があるのか」を調べますよね。

例えば、Hくんは、学校実施の海外研修「アカデミック・チャレンジ・プログラム」でニューヨークに少し行っていたそうですが、それもまた、選択肢を増やすひとつのきっかけになったかもしれません。

Hさん:そうですね。確かに、海外研修は親のサポートがないと難しかったと思います。

泉田:ほかにも選択肢を増やす方法はいろいろあります。例えば本を読むとか、興味のある分野について詳しい人に会いに行くとか。親がサポートできることもあるでしょうし、中には自分でできることもあると思います。選択するためには、「知る」ことが大前提になりますから、まずはその機会を最大限に渡すことがより大切だと思います。

日本の金融教育に欠けている「稼ぐ力」の視点

Sさん:今回の探究活動のテーマを決めてから、Hくんと「経済的な成功とは一体何を指すのか?」という話をし、「経済的な成功」を「お金について困ることがない、お金の有無によって選択肢を狭められることがないこと」と定義しました。現在、日本で行われている金融教育で、この意味での「経済的な成功」は実現できそうでしょうか。

泉田:残念ながら、今の日本の金融教育ではそこまでカバーできていないかもしれません。例えば、アメリカの金融教育のカリキュラムを見ると「どうやって稼ぐか」(earning)というところから始まっています。

日本の金融教育は、「どう稼ぐか」をスキップしている印象があります。毎月もらう給与を増やすにはどうしたらいいか、節約するにはどうしたらいいか。投資詐欺や金融詐欺などで騙されないようにするにはどうしたらいいか、それももちろん大切なことですが、「そもそも稼ぐにはどのような方法があるか?」という前提を飛ばしてしまっているんですよね。

「お金を稼ぐ=給与をもらうこと」ではなく、給与所得を増やすことは、あくまでも稼ぐ手段の一つです。僕としては、どうやって稼ぐのか、その稼ぎを増やすにはどうしたらいいのかという点を学んだ上で金融教育を始めるべきだと考えています。

経済的な成功を実現するヒントは初任給?

Hさん:今のお話も踏まえつつ、「経済的な成功」を実現するヒントがあれば、教えてください。

泉田:先ほどの「稼ぐ」ことから考えたほうがいいという話の続きになりますが、中には、「十分なお金が手元にあるから、稼ぐ方法を真剣に考える必要がない」人もいるでしょう。ですが、すべての人がそういうわけではないですよね。

現実的には、ほとんどの人は「どうやって稼ぐか」とか、「その稼ぎを増やすにはどうしたらいいか」という点をつきつめて考える必要があります。

これは僕の経験ですが、大学を卒業して新卒採用で一斉に就職活動をしますよね。その中で、同じ新卒採用でも「会社」はもちろん、「業界(産業)」によって給与がまったく違うということがわかったんです。就職活動中に先輩の話を聞きながら、入社時の給与、いわゆる初任給はさほど変わらなくても、例えば、入社5年目の給与額は会社や業界によって差があることに気づきました。

Sさん:そんなに違うんですか。それを知っているかどうかで就職先の選び方が変わる可能性がありますよね。

泉田:そうなんです。僕自身は、当時「それなら給与が高いところに行こう」という観点から金融機関を選びました。そういうことは学生の間に教えてもらう機会があまりないと思います。もちろん、キャリアの選択の軸は人それぞれなのですが、先ほどお話ししたアメリカの金融教育的な観点だと最初にどういう仕事を選ぶと「稼ぐ」という点において自分が理想とするスタートが切れるのかを知ることは、とても大切ですよね。

資産運用の観点でお話をすると、給与が多いと運用できる金額も増えますし、元本が大きければ増え方も大きくなります。キャリアの幅を広げるための自己投資もできますよね。「稼ぐ」ことが全てではないですが、結果的に自分の選択肢を増やすことができる機会は広がると思います。

「資産運用」の前に。AI時代に本当に必要なスキルとは

Hさん:どのような仕事を選ぶかという話にもつながるかもしれませんが、「IT化」や「グローバル化」が一般的な言葉となっている中で、いまの子どもたちが将来必要とされるスキルとはどういうものでしょうか。

泉田:まず「人と人とのコミュニケーション能力」だと思います。作業自体は、おそらくAIや自動化で人の手を介さずどんどんできるようになると思います。ただ、アウトプットして生み出したものは、誰かに提供して初めて意味をなします。

一つひとつの作業は自動化できても、最終的に何か大きな形にしようと思った時には、人が全く関わらないということはほとんどないと思います。そういう意味では、対人のコミュニケーション能力の重要性が今後さらに増していくと考えています。

Sさん:泉田さんは、仕事や研究を通して経済やお金に関する多くの知識を身につけられてこられたと思います。もし、その知識を持ったまま子どもの頃に戻れるとしたら、どんなことに取り組みたいですか?

泉田:たぶん、もう1回人生をやり直しても、自分が生きてきたプロセスを通らないと、今に至らないと思うんですよね。だから、あまり変わらないんじゃないかなと思います。

僕自身は、大学で商学部に入ったので、学生時代に経営、会計、金融、マーケティングなど、社会人になってからすごく役立つものを学べました。社会人になってからは、自分で英語を勉強し、仕事での自分の経験が最大限になるように時間とお金を使いました。

自分の経験を踏まえての話でもありますが、「自分の年収を増やす」「稼ぐ力」という、先ほどお話しした観点から考えても、まず知識のインプットやスキルアップに取り組むことを若いみなさんにはお勧めしたいです。

金融教育はとても重要ですし、本当にこの国が今後経済成長するためにはすごく欠かせない要素ではありますが、必ずしも「早くから投資したらいい」ということでもないと思います。若いときにまず大切にしてほしいのは「自分の価値を高めること」です。

例えば、英語やプログラミングなどのスキルアップですね。そういうことをしっかりしておくと、年収が上がる可能性も高まりますから、自分の価値を最大化させるための努力が必要だと思います。

近年、物価高や年金などによって、老後への不安が高まっていることもあり、社会人になった瞬間に「自分の給与の余った分を、全部投資に回す」という傾向も高まっています。それが一概によくないということではありませんが、自分の価値を上げずに、金銭的な投資だけするというのは、ちょっと違うのではと個人的には思っています。

年齢を重ねると、新しいことを学ぶのはどんどん難しくなります。若いうちに努力すれば、同じ時間でも成果のスピードは速く、より大きなリターンにつながります。だから、老後のためにお金を貯めることばかりに集中するのではなく、自分自身の成長に投資することを大切にしてほしいですね。

いま、若者が学ぶべき3つのスキル

Hさん:そうなると、経済的に成功するために、僕らがまず取るべき「具体的なアクション」は何でしょうか?

泉田:まずは「英語」「会計」「プログラミング」、この3つのスキルを身につけて社会に出ることが大事だと考えています。この3つの重要性は、僕が就職活動をした2000年からほとんど変わってないですね。

「英語」は、グローバル企業で外国人の同僚と直接コミュニケーションを取るために必須です。AI翻訳がどれだけ進んでも、同僚同士で翻訳ツールを使って話してもいいコミュニケーションにならないですよね。もし、 チャンスを求めて成長している企業に行くとなると、英語は必須項目だと思います。 

「会計」は、ビジネスの共通言語です。ビジネスに携わる限り、売上や利益の話は必要になりますし、役職が上がるほど会社の数字を理解する必要があり、最終的な意思決定にも直結します。

「プログラミング」は、AIや自動化されたシステムが正しく動いているかを検証する力につながります。これがあると、自動化の波に飲まれず、自分の価値を維持・向上することができるでしょう。

AIや自動化が進むほど、これらのスキルを持つ人と持たない人の給与格差は確実に広がります。スキルを持つ側は、資産運用の選択肢も増え、富をさらに増やす循環に入ることができます。社会人としてアピールになるのは、資産運用が上手なことではなく、このスキルが積み上がっていることです。

Sさん:その他に重要なことはありますか?

泉田:先ほどもお話した通り、やはり重要なのは「コミュニケーション能力」です。スキルとコミュニケーション力、この両方を持つ人は社会的にも成功しやすいと思います。

会社や社会は多様な人たちの集まりですよね。大きな成果を出すにはチームで力を合わせて取り組む必要があるし、やっぱりそのほうがインパクトがあることを成し遂げられるなと感じています。その社会の縮図を学ぶには、例えば、チームプレーが必要になる部活動などもいい機会だろうなと思います。

今日の話が、お二人の探究活動に役立っていたらうれしいです。これからも応援しています。

Hさん:ありがとうございました!

Sさん:頑張ります!

探究活動のインタビューを終えて

「子どもが将来お金に困らない力を育むには?」をテーマにした今回の探究活動のインタビューは、モニクルとしても金融教育についてあらためて考えるきっかけとなりました。

今回の話を通じて、若いうちから英語や会計、プログラミングなどのスキルを身につけて自分の価値を高めること、さらにAI時代を生き抜くためのコミュニケーション能力を養うことが、将来の選択肢を広げる上で大切だと感じました。

モニクルは今後も若い世代に寄り添い、子どもたちが「お金に左右されず自分らしい人生を選択する力」を育む金融教育に取り組んでまいります。これからのモニクルの活動にも、ぜひご期待ください。

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