音声メディア『モニクルラジオ』がお届けする金融教育ポッドキャスト「15分で学ぶ!社会人のマネーHOW TO」は、「これだけおさえておけば、お金で大ケガをしない!」をコンセプトに、全50回のプログラムを配信しています。この番組では、学校の金融教育カリキュラムを作る際にも使用されている「金融リテラシー・マップ」にまとめられている項目を踏まえながら、金融知識をひとつずつ学んでいきます。
今回は、第47回の「ローン・クレジット#2 ローン制度②ローン制度、ライフプランニングにおいてどう考える?住宅ローン、奨学金など【第47話】」でお話しした内容を記事としてお届けします。
はい。住宅ローン・自動車ローン・教育ローン・医療ローン・事業ローンなどがありますね。フリーローンというものもあります。
ローンとクレジットは、どちらも「お金を借りる」という点は共通していますが、その仕組みが異なります。
クレジットカードは、利用するたびにカード会社が一時的にお金を立て替えます。ローンは、金融機関から直接お金を借りて、毎月決まった金額を返済していく仕組みです。
住宅ローンなどと違い、フリーローンは使用目的が特に決められていません。
生活費や旅行など自由に使えますが、使用目的が決まっているローンに比べると、金利は高めに設定される傾向があります。
フリーローンの中には「カードローン」といって、銀行などの金融機関で借りられるものもあります。クレジットカードのキャッシング機能に近く、住宅ローンのような高額な金額を借りることができません。
ATMなどで気軽に利用できるので、使いすぎに注意が必要です。
そうですね。その分、住宅ローンなどは金額も大きく、返済期間も35年など長期になるので、審査も厳しいんですよ。住宅ローンの場合は、事前審査と本審査で、審査が2回あるのが一般的です。「本当に返済力があるのか」という点を厳密にチェックされます。
ローンの事前審査では、おおよその項目が確認され、本審査で返済能力や本人の健康状態などが綿密に確認されます。金融機関から勤務先へ確認されることもありますし、他のローンの状況もチェックされます。例えば、先ほど話に出た「フリーローンがあるか」「自動車ローンがいくら残っているか」などです。
JICCなどの信用情報機関では、個々人の借金の状況や、クレジットカードの支払い状況などが一括で管理されています。
その通りです。住宅ローンなどの契約状況や返済状況も同様です。例えば、スマートフォンを分割払いで購入した場合、その支払い状況も信用情報に登録されます。スマートフォンの分割返済が契約通りになされていない場合、住宅ローンの審査に落ちてしまう可能性もあります。
ちなみに、住宅ローンを組む際には、「団体信用生命保険(団信)」に入ることがほとんどです。大半の金融機関で、ローン契約の際に加入が必須とされています。
これは、ローン契約者が万が一亡くなった時や、高度の障害状態になってしまいローンの支払いを継続することができない場合に、生命保険会社が金融機関に残りのローンを返済するという保険です。
本来は、返済途中でローン契約者が亡くなった場合は、家族が支払いを継続しなくてはいけません。ですが、団信に加入していれば家族は支払う必要がなく、そのままその家に住み続けることができます。
そうです。金融機関にとってもリスクヘッジになっています。住宅ローンは、最長で35年などの返済期間になることもあります。長期にわたるので、ローン返済中にいろいろな事情が発生する可能性も出てくるわけです。
住宅ローンの金利には3パターンあります。
- 変動金利型
- 全期間固定金利型
- 固定金利期間選択型
「変動金利型」は、金利が低めな時期に選ばれる傾向にあります。しかし、長期金利に連動して住宅ローンの金利も影響を受けるので、金利が大幅に上がるリスクや、そのために契約時の想定よりも返済額が増えるリスクもあります。
「固定金利」は、設定されている金利が変動金利よりも高めな設定になっていることが多いです。
住宅ローンは返済が長期に及ぶので、金利の影響が読みきれないですよね。固定金利より変動金利の方が契約時の金利は抑えられる傾向にありますし、取り扱っている金融機関が多いことはメリットですが、想定よりも金利が上がる可能性はあることを知っておきましょう。
そうですね。また、住宅ローンの返済の方法は大きく分けて2パターンあります。
- 元利均等返済
- 元金均等返済
「元利均等返済」は、毎回の支払い金額が一定なので、家計管理がしやすいというメリットがあります。
「元金均等返済」は、トータルで支払う金額は抑えられますが、返済初期の負担額が大きくなる特徴があります。
住宅ローンを組む場合は、この辺りも含めて金利を選択する必要があります。
はい。教育ローンは親などの保護者が、奨学金は学生本人が契約者となります。そのため、教育ローンは親が返済し、奨学金は本人が返済していくことになります。
教育ローンには金利がありますが、奨学金は利子なし(無利子)、または利子ありでも教育ローンより金利が低く設定されています。
また、奨学金には、返済不要の「給付型」と、返済が必要な「貸与型」があります。
奨学金の返済は長期間に及ぶのが一般的です。返済が難しくなった場合は、支払い猶予を設定してもらえるなどの救済措置もあります。
注意点としては、許可なく奨学金の返済が滞ると、信用情報に影響が出て、クレジットカード審査が通らなかったり、住宅ローンを組めなくなる可能性があります。
自分の信用情報がどうなっているか気になる人は、取り寄せることもできます。住宅ローンなどを検討する際に、事前にチェックしても良いかもしれませんね。
ローンは借金ですが、目的のために必要な資金であれば、上手に活用することが大切です。
きちんとした金融機関と無理のない計画で契約し、制度を十分に理解して使いこなせば、「ライフプランニングの実現」に役立つ大きな味方となってくれるでしょう。
ローンもクレジットカードも、一概に「怖いから使わない」と決めるのではなく、利息やリスクを把握したうえで利用することが重要です。
大きめの金額の買い物や、自己投資が必要な場合もありますよね。「自己投資も、投資の一つだ」という話を以前しましたが、借金によって得られるリターンが人生全体で見たら大きいということもあります。
リスクがあることが前提ではありますが、自分の望む未来を実現するための手段として、ローンや借金を活用するのも一つの方法であり、金融リテラシーです。