音声メディア『モニクルラジオ』がお届けする金融教育ポッドキャスト「15分で学ぶ!社会人のマネーHOW TO」は、「これだけおさえておけば、お金で大ケガをしない!」をコンセプトに、全50回のプログラムを配信しています。この番組では、学校の金融教育カリキュラムを作る際にも使用されている「金融リテラシー・マップ」にまとめられている項目を踏まえながら、金融知識をひとつずつ学んでいきます。
今回は、第46回の「ローン・クレジット#1 キャッシュレス決済①クレジットカードの仕組みとは?「リボ払い」は手数料に要注意!【第46話】」でお話しした内容を記事としてお届けします。
クレジットカードを使った買い物は、日常的な金融取引だともいえます。
クレジットカードの「クレジット」とは、「販売信用」という意味です。後払いで商品を購入できる支払い手段なので、ローンと似たような仕組みだといえます。
ローンというと住宅ローンのような大きな金額をイメージしがちですが、クレジットカードも購入時点では「借金」と考えられます。
いまはキャッシュレス手段が充実しているので、学生や社会人の皆さんは、現金払いをほとんど使わなくなっているのではないでしょうか。
Suicaは社会人の頃に出たと思います。すぐに使い始めましたよ。
交通系ICカードの登場前と後、どちらも知っている世代は特に利便性を感じているのではないでしょうか。
では、ここからはキャッシュレス決済をタイプ別に見ていきます。キャッシュレス決済は、主に「後払い」「プリペイド型」「即時払い」の3つに分類できます。
そうですね。いま話に出ていた交通系ICカードは、チャージの仕方によってクレジット方式やプリペイド方式などがあります。
即時払いは、デビットカードに紐づく銀行口座から使った分がすぐに引き落とされる仕組みです。口座残高以上は使えないので、使いすぎを防ぎやすくなっています。
キャッシュレス決済にはいくつかリスクがあります。どのようなものを思いつきますか?
情報漏洩とは、サイバー攻撃などによって個人情報が流出してしまうことですね。ローンやクレジットの話とは少し違いますが、最近ではネット証券口座へのハッキングもありました。オンラインの仕組み全般に共通するリスクだといえます。
メディアを含め各社が注意喚起を出しており、報道で目にすることも多いと思います。ここであらためてお伝えすると、詐欺メールやSNSの詐欺アカウントからのリンクに個人情報を登録しないことが基本的な対策です。
詐欺電話などを回避するための知識も金融リテラシーに含まれますから、そこもアンテナを張っておいていただけたらなと思います。
ここからは、クレジットカードやローンの使い方という観点で、金融リテラシーにまつわる話をお伝えします。
そうですね。カードごとに締め日は月末だったり10日だったりとさまざまです。締め日を自分で選べる場合もあるので、契約内容を確認することが大切です。
クレジットカードには、買い物用の「ショッピング機能」と、お金を借りられる「キャッシング機能」があります。冒頭でもお話したように、買い物は後払いになるので、実質的には借金と同じです。
その通りです。クレジットカードは無条件で作れるわけではなく、まず審査があります。審査後、収入などに応じて使用限度額が決まります。50万円や100万円など、人によって限度額はさまざまです。
基本的には定期収入があることが審査が通る条件になっているので、社会人になってから持つ人が多いかと思います。ただし、成人の条件が変わったため、大学生も18歳以上はカードが作れるようになりました。
そうですね。クレジットカード利用においては、関係者が大きく分けて三者います。
- クレジットカードの利用者
- クレジットカード加盟店
- クレジットカード会社
利用者は、審査を経てカードを持っている人のことです。加盟店は、クレジットカード払いを許可しているお店のこと。クレジットカード会社は、クレジットカードで支払われた金額を加盟店に支払う会社のことです。
加盟店は、クレジットカード会社に所定の手数料を支払い、クレジットカード会社は、その手数料を収入としています。
そうですね。ただ、クレジットカード払いを導入することで、購入金額が大きくなる効果もあるので、店舗側にも一定のメリットはあります。
クレジットカードを利用する際には、金融リテラシーが問われます。
あくまでも、クレジットカード会社は代金を立て替えているだけで、後日、自分が支払う必要があるという認識を持つことが大切です。
もし一括で支払えない場合は、「分割払い」や「リボ払い」を利用することもあります。ここがクレジットカード利用で特に注意すべきポイントです。
クレジットカードでは、次のような支払い方法があります。
- 一括払い
- 分割払い
- リボ払い
- ボーナス一括払い など
リボ払い(リボルビング払い)は、カードの利用金額に関わらず毎月の支払い額を一定にできる方法です。一見、負担が減ったように感じますが、実は注意点があります。
はい。毎月、5000円や1万円など、自分が決めた金額を支払い続けるだけであれば、いつか支払い終えることができますが、その仕組みではクレジットカード会社も損をしますよね。カード利用者のお金を立て替えるだけになってしまいますから。
そのため、必ず手数料がかかります。金利に換算すると、リボ払いは年利でおよそ15%といわれています。けっこう高い利率ですよね。
金融庁が提供している「借金シミュレーター」では、数字を入れて返済計画や利息をシミュレーションできます。
例えば、20万円のカード利用を年利15%のリボ払いで毎月5000円返済したパターンでシミュレーションしましょう。すると56回払いで総額278,954円となります。毎月1万円ずつ返す場合では、24回払いで231,576円になり、いずれも実際の利用金額より数万円多く支払うことになります。
利息がない場合は、5000円ずつ返せば40回で済む計算です。利用者から見れば、年利15%で20万円を借りている状態ですから、負担が大きいです。
クレジットカードでは、分割払いも選べます。リボ払いと違い、回数を自分で決められるので、いつ支払いが終わるかイメージしやすいです。ただし、一般的に3回以上の分割払いでは手数料がかかり、実際の利用金額より多く払うことになります。目安はリボ払いと同じで、だいたい年利15%程度です。
また、クレジットカードには「キャッシング機能」、つまりお金を借りられる機能もあります。手軽に使えますが手数料がかかるため、安易に使うと返済額がどんどん増えるので注意が必要です。
そうですね。クレジットカードの使い過ぎ対策としては、先ほど紹介した金融庁のシミュレーターを使うと効果的です。視覚化できて理解しやすいと思いますから。
ローンの話は別の回であらためて解説するので少しだけ触れますが、家や車など高額な買い物では、現金一括よりローンを組むことが多いです。
「使い過ぎに注意」という話をしてきましたが、必要な借金は、自分の人生で実現したいことを叶える手段になることもあります。「借金=悪」ではなく、返済額や意味を理解したうえで利用することが大切です。ローン制度を自分の人生に役立つように使うためにも、金融リテラシーは不可欠です。