Skip to content
  1. トップ
  2. 社会人のマネーHOW TO
  3. キャッシュレス決済①クレジットカードの仕組みとは?「リボ払い」は手数料に要注意! 【第46話】

キャッシュレス決済①クレジットカードの仕組みとは?「リボ払い」は手数料に要注意! 【第46話】
ローン・クレジット#1

module.blog_main_image.alt

 

ポッドキャストを聴く(ローン・クレジット#1 キャッシュレス決済①クレジットカードの仕組みとは?「リボ払い」は手数料に要注意!【第46話】)

はじめに

音声メディア『モニクルラジオ』がお届けする金融教育ポッドキャスト「15分で学ぶ!社会人のマネーHOW TO」は、「これだけおさえておけば、お金で大ケガをしない!」をコンセプトに、全50回のプログラムを配信しています。この番組では、学校の金融教育カリキュラムを作る際にも使用されている「金融リテラシー・マップ」にまとめられている項目を踏まえながら、金融知識をひとつずつ学んでいきます。

今回は、第46回の「ローン・クレジット#1 キャッシュレス決済①クレジットカードの仕組みとは?「リボ払い」は手数料に要注意!【第46話】」でお話しした内容を記事としてお届けします。

キャッシュレス決済の3つのタイプ

今日のテーマは「キャッシュレス決済」です。

クレジットカードを使った買い物は、日常的な金融取引だともいえます。

クレジットカードの「クレジット」とは、「販売信用」という意味です。後払いで商品を購入できる支払い手段なので、ローンと似たような仕組みだといえます。

ローンというと住宅ローンのような大きな金額をイメージしがちですが、クレジットカードも購入時点では「借金」と考えられます。

いまはキャッシュレス手段が充実しているので、学生や社会人の皆さんは、現金払いをほとんど使わなくなっているのではないでしょうか。

旅行先でキャッシュレス化されていない改札に出会うと、券売機で切符を買うのが懐かしい気持ちになりますね。キャッシュレスは世代によって使い始めのタイミングが異なりますが、泉田さんは交通系ICカードが登場したのはいつ頃ですか?

Suicaは社会人の頃に出たと思います。すぐに使い始めましたよ。

私は大学生の頃でしたが、交通系のキャッシュレスが登場して本当に便利になりました。コンビニの買い物でも時間が圧倒的に短縮されて、時間の節約になっていることを実感しますね。

交通系ICカードの登場前と後、どちらも知っている世代は特に利便性を感じているのではないでしょうか。

では、ここからはキャッシュレス決済をタイプ別に見ていきます。キャッシュレス決済は、主に「後払い」「プリペイド型」「即時払い」の3つに分類できます。

クレジットカードは後払い、電子マネーやプリペイドカードはプリペイド型、デビットカードは即時払いですね。

そうですね。いま話に出ていた交通系ICカードは、チャージの仕方によってクレジット方式やプリペイド方式などがあります。

即時払いは、デビットカードに紐づく銀行口座から使った分がすぐに引き落とされる仕組みです。口座残高以上は使えないので、使いすぎを防ぎやすくなっています。

キャッシュレス決済の知っておきたいリスク

キャッシュレス決済にはいくつかリスクがあります。どのようなものを思いつきますか?

カードの場合、紛失リスクがあります。落としてしまうと不正利用される可能性があります。交通系ICカードは、スマホアプリならカードを落とす心配はありませんが、カードタイプなら同じリスクがあります。また、ECサイトでカード情報を入力すると、登録情報がハッキングされて不正利用されるリスクがあります。情報漏洩のニュースは、比較的よく目にしますよね。

情報漏洩とは、サイバー攻撃などによって個人情報が流出してしまうことですね。ローンやクレジットの話とは少し違いますが、最近ではネット証券口座へのハッキングもありました。オンラインの仕組み全般に共通するリスクだといえます。

最近は詐欺事件が本当に増えていますね。メディアでも毎日のように報道されています。

メディアを含め各社が注意喚起を出しており、報道で目にすることも多いと思います。ここであらためてお伝えすると、詐欺メールやSNSの詐欺アカウントからのリンクに個人情報を登録しないことが基本的な対策です。

電話をかけてきて警察をかたったり、詐欺の手口はどんどん増えている印象です。正しい発信元からの情報を定期的に入手して、世の中の動向を把握することも大切ですし、「変だな」と疑うスタンスが大切ですね。

詐欺電話などを回避するための知識も金融リテラシーに含まれますから、そこもアンテナを張っておいていただけたらなと思います。

ここからは、クレジットカードやローンの使い方という観点で、金融リテラシーにまつわる話をお伝えします。

クレジットカードは、「1ヵ月分の買い物を翌月に支払う」仕組みです。よく「使いすぎに注意」といわれますよね。

そうですね。カードごとに締め日は月末だったり10日だったりとさまざまです。締め日を自分で選べる場合もあるので、契約内容を確認することが大切です。

クレジットカードには、買い物用の「ショッピング機能」と、お金を借りられる「キャッシング機能」があります。冒頭でもお話したように、買い物は後払いになるので、実質的には借金と同じです。

確かに、限度額まで買い物できてしまう仕組みですよね。

その通りです。クレジットカードは無条件で作れるわけではなく、まず審査があります。審査後、収入などに応じて使用限度額が決まります。50万円や100万円など、人によって限度額はさまざまです。

基本的には定期収入があることが審査が通る条件になっているので、社会人になってから持つ人が多いかと思います。ただし、成人の条件が変わったため、大学生も18歳以上はカードが作れるようになりました。

クレジットカード払いができるお店とできないお店がありますよね。ECショップでは基本的にクレジットカード払いができる印象ですが、リアルな店舗だと現金払いのみというところもあります。

そうですね。クレジットカード利用においては、関係者が大きく分けて三者います。

  • クレジットカードの利用者
  • クレジットカード加盟店
  • クレジットカード会社

利用者は、審査を経てカードを持っている人のことです。加盟店は、クレジットカード払いを許可しているお店のこと。クレジットカード会社は、クレジットカードで支払われた金額を加盟店に支払う会社のことです。

加盟店は、クレジットカード会社に所定の手数料を支払い、クレジットカード会社は、その手数料を収入としています。

「お店にとっては現金払いの方がうれしい」という話を聞いたことがありますが、手数料を支払わなくていいからなんですね。

そうですね。ただ、クレジットカード払いを導入することで、購入金額が大きくなる効果もあるので、店舗側にも一定のメリットはあります。

リボ払いはなぜ「危険」といわれるのか?

クレジットカードを利用する際には、金融リテラシーが問われます。

あくまでも、クレジットカード会社は代金を立て替えているだけで、後日、自分が支払う必要があるという認識を持つことが大切です。

ふだん意識して使っていても、請求書が届いてから「思ったより多い!」となることもあります。旅行に行った翌月など、想定より請求金額が増えていることもあります。

もし一括で支払えない場合は、「分割払い」や「リボ払い」を利用することもあります。ここがクレジットカード利用で特に注意すべきポイントです。

クレジットカードでは、次のような支払い方法があります。

  • 一括払い
  • 分割払い
  • リボ払い
  • ボーナス一括払い など

リボ払い(リボルビング払い)は、カードの利用金額に関わらず毎月の支払い額を一定にできる方法です。一見、負担が減ったように感じますが、実は注意点があります。

例えば、20万円のカード利用があったが、一括で払うのが難しい場合に、月々の支払いを5000円や1万円など少額に抑えられる、ということですよね?

はい。毎月、5000円や1万円など、自分が決めた金額を支払い続けるだけであれば、いつか支払い終えることができますが、その仕組みではクレジットカード会社も損をしますよね。カード利用者のお金を立て替えるだけになってしまいますから。

そのため、必ず手数料がかかります。金利に換算すると、リボ払いは年利でおよそ15%といわれています。けっこう高い利率ですよね。

金融庁が提供している「借金シミュレーター」では、数字を入れて返済計画や利息をシミュレーションできます。

今の例でシミュレーションしてみましょうか。

例えば、20万円のカード利用を年利15%のリボ払いで毎月5000円返済したパターンでシミュレーションしましょう。すると56回払いで総額278,954円となります。毎月1万円ずつ返す場合では、24回払いで231,576円になり、いずれも実際の利用金額より数万円多く支払うことになります。

利息がない場合は、5000円ずつ返せば40回で済む計算です。利用者から見れば、年利15%で20万円を借りている状態ですから、負担が大きいです。

カードを使うときは、支払いのイメージまで持っておくことが大切ですね。一括なのか、分割やリボなのか、利子(手数料)も含めて考えて選ぶことがポイントです。

クレジットカードでは、分割払いも選べます。リボ払いと違い、回数を自分で決められるので、いつ支払いが終わるかイメージしやすいです。ただし、一般的に3回以上の分割払いでは手数料がかかり、実際の利用金額より多く払うことになります。目安はリボ払いと同じで、だいたい年利15%程度です。

どちらも手数料は同じくらいなんですね。

また、クレジットカードには「キャッシング機能」、つまりお金を借りられる機能もあります。手軽に使えますが手数料がかかるため、安易に使うと返済額がどんどん増えるので注意が必要です。

クレジットカードと比べると、プリペイドカードやデビットカードは使いすぎのリスクが低くなりますね。

そうですね。クレジットカードの使い過ぎ対策としては、先ほど紹介した金融庁のシミュレーターを使うと効果的です。視覚化できて理解しやすいと思いますから。

ローンの話は別の回であらためて解説するので少しだけ触れますが、家や車など高額な買い物では、現金一括よりローンを組むことが多いです。

「使い過ぎに注意」という話をしてきましたが、必要な借金は、自分の人生で実現したいことを叶える手段になることもあります。「借金=悪」ではなく、返済額や意味を理解したうえで利用することが大切です。ローン制度を自分の人生に役立つように使うためにも、金融リテラシーは不可欠です。

第46話のまとめ

  • クレジットカードの「クレジット」とは「販売信用」の意味で、後払いで商品を購入できる支払い手段
  • キャッシュレス決済は「後払い」「プリペイド型」「即時払い」に分類できる
  • クレジットカードの支払い方法は「一括払い」「分割払い」「リボ払い」などが選べる
  • 分割払いやリボ払いは手数料がかかるため、選ぶ前に金融庁のシミュレーターで返済総額を確認すると、使いすぎ防止に役立つ

パーソナリティー:泉田良輔プロフィール

icon_izumida2

株式会社モニクル
取締役 グループ戦略担当

泉田 良輔 Ryosuke Izumida

慶應義塾大学卒業後、日本生命保険、フィデリティ投信で外国株式や日本株式のポートフォリオマネージャーや証券アナリストとして勤務。2013年3月、株式会社ナビゲータープラットフォーム(現:株式会社モニクルリサーチ)を共同設立し、取締役に就任(現在は代表取締役)。2018年11月、株式会社OneMile Partners(現:株式会社モニクルフィナンシャル)を共同設立し、取締役に就任。2021年10月、ナビゲータープラットフォームとOneMile Partnersの親会社として、株式会社モニクルを設立し、取締役に就任。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。東京科学大学大学院非常勤講師。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科修士課程修了。著書に「銀行はこれからどうなるのか」「Google vs トヨタ」「機関投資家だけが知っている『予想』のいらない株式投資法」など

 

記事一覧へ戻る

おすすめ関連記事 Related Articles