音声メディア『モニクルラジオ』がお届けする金融教育ポッドキャスト「15分で学ぶ!社会人のマネーHOW TO」は、「これだけおさえておけば、お金で大ケガをしない!」をコンセプトに、全50回のプログラムを配信しています。この番組では、学校の金融教育カリキュラムを作る際にも使用されている「金融リテラシー・マップ」にまとめられている項目を踏まえながら、金融知識をひとつずつ学んでいきます。
今回は、第43回の「資産形成商品#10 債券を知ろう!①債券には、どんな種類がある?国債・社債の特徴、サムライ債とは?【第43話】」でお話しした内容を記事としてお届けします。
その通りです。まず、国や地方公共団体が発行する債券のことを「公共債」といいます。
一方で、民間の企業などが発行する債券のことを「民間債」といいます。いわゆる「社債」は民間債に該当しますね。実は「社債」の中に、もう少し細かい分類があります。
社債は、事業会社が発行するもので「事業債」とも呼ばれます。事業債の中でも、電力会社が発行するものは「電力債」、銀行などの金融機関が発行するものは「金融債」と呼ばれています。
はい、日本でも取り扱っていますよ。特定の企業の債券などを、ドル建てやユーロ建てなどの外貨建てで購入します。
外国の債券を持つメリットは何かというと、主に金利です。国債で比較すると分かりやすいですが、国ごとに金利が違いますよね。日本では米国国債がメジャーですが、他にも日本より金利が高い国はたくさんあります。日本はずっと相対的に金利が低い傾向にありますから。
資産運用の観点でいうと、外国債の場合、日本より金利の高い国の債券を買っておくと利回りが良いですよね。
あとは、外国債の場合は、為替の影響があります。債券の価値を評価するタイミングの為替レートによって、円建ての評価額はプラスになったりマイナスになったりします。これを「為替差益」、「為替差損」といいます。
また、債券には、お金が戻ってくるタイミングである「償還期日」が決まっています。
その通りです。逆に円高になっていたら、マイナスになります。債券の額面そのものは購入時から変わりませんが、その時の為替レートによって、円換算すると受け取る金額が変わることがあります。
はい、あります。「サムライ債(サムライ・ボンド)」と呼ばれます。
海外の企業や政府、国際機関などが円建てで発行する債券です。
なぜ海外の発行元がわざわざ円建てで債券を発行するのかというと、日本の低い金利を活用して、投資家から資金を集めやすいためです。
自分の国の通貨で債券を発行すると、より高い金利を保証しなくてはいけません。発行主体にとって、低金利は魅力ですよね。
日本の投資家にとっては、円建てなので為替リスクがない外国債券を持つことができるメリットがあります。
日本の国債よりも金利が高いものを選んでおけば、分散投資もできるし、利回りも高いので、メリットがありますよね。
ですが、過去にギリシャの経済危機があったときに、「サムライ債がデフォルト(債務不履行)になるかもしれない」と、大きく話題になったことがありました。「償還日に、無事に返済されないのでは」という緊張感があったんです。
2015年の日経新聞に、当時の状況が報じられています。
ギリシャ政府は(7月)14日、1995年に日本の債券市場で発行した20年物円建て債(サムライ債)を期日通りに償還した。
海外が関わると、カントリーリスクなどもあると学べる事例ですね。円建てで為替リスクは回避できても、「そもそも企業や国がお金を返せるか」は別問題ということです。
個人向け日本国債や地方債は、証券会社・銀行などで購入できます。外国債や社債を取り扱っているのは証券会社のみです。債券は証券会社の調達状況に左右されるため、株式と違って品揃えは証券会社ごとに異なります。
新規で発行されるものは購入できるタイミングが決まっていますが、すでに発行された債券で、市場で売買されている商品に関しては、時価取引で随時購入できます。
はい。債券で運用する投資信託を購入することも、国内外の債券を購入することもできます。
債券のみで構成された投資信託は、債券ファンド(債券投資信託)といいます。
債券そのものを購入する場合、「どの銘柄を買うか」が明確に選べます。
一方、投資信託の場合は、ファンドマネージャーなどが「国内債券ならこの銘柄、外国債券ならこれ」といった形で、複数の債券を選定し、組み合わせます。
債券の発行主体を意識した投資をしたいなら、債券を直接購入する。「どこの債券に投資したい」という意図が特にない場合は、投資信託が良いのではないでしょうか。
ただ、債券の良いところは、満期まで保有すると利払いと元本が返ってくることです。資産運用の面でいうと、満期まで保有すれば、買った瞬間に利回りが確定しますし、キャッシュフローが読めます。まとまった資金がある人は、債券を直接購入する方がメリットを感じるかもしれませんね。