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保険商品を知ろう!③損害保険って、どんな保険?生命保険や医療保険との違いって?「実損払い」とは?【第41話】】| 15分で学ぶ!社会人のマネーHOW TO | モニクルラジオ

作成者: モニクルプラス編集部|2025.06.26

ポッドキャストを聴く(保険商品 #3 保険商品を知ろう!③損害保険って、どんな保険?生命保険や医療保険との違いって?「実損払い」とは?【第41話】)

はじめに

音声メディア『モニクルラジオ』がお届けする金融教育ポッドキャスト「15分で学ぶ!社会人のマネーHOW TO」は、「これだけおさえておけば、お金で大ケガをしない!」をコンセプトに、全50回のプログラムを配信しています。この番組では、学校の金融教育カリキュラムを作る際にも使用されている「金融リテラシー・マップ」にまとめられている項目を踏まえながら、金融知識をひとつずつ学んでいきます。

今回は、第41回の「保険商品 #3 保険商品を知ろう!③損害保険って、どんな保険?生命保険や医療保険との違いって?「実損払い」とは?【第41話】」でお話しした内容を記事としてお届けします。

何に備える?損害保険の具体例

今日のテーマは「損害保険」についてです。

前回は、生命保険の種類についてお話しました。保険は大きく分けると、次の3つに分類されます。

  • 第一分野 生命保険
  • 第二分野 損害保険
  • 第三分野 医療保険など

今回は第二分野の「損害保険」について解説していきます。損害保険は、生命保険よりも理解しやすいかもしれませんね。

損害保険には、具体的にどのような種類の保険があるのでしょうか。

ネーミングが分かりやすく、「何に対する保険なのか」がそのまま名称になっていることが多いです。「自動車保険」「火災保険」「地震保険」などは耳にすることも多いと思います。他にも、「自転車保険」「旅行保険」「ペット保険」などがあります。

ペット保険は、損害保険なんですね。

はい、そうなんです。ペットがケガをしたら病院で処置をしてもらったり、場合によっては手術や入院をすることもありますよね。ペットには公的な医療保険がないので、飼い主は医療費を100%自己負担する必要があります。ペット保険は、その費用を保障する保険です。

また、ペットが他人にケガをさせてしまったり、他人の物を壊してしまうなどのリスクもあります。場合によっては、飼い主に損害賠償責任が生じることもあります。

このような事態に備えて、「ペット賠償責任特約」というオプションを付帯しておくと、万が一の場合に補償が出ることがあります。

ペットを飼ったことがないので知らなかったです。泉田さんは、犬を飼っていらっしゃいますよね。

そうですね。なので、私もペット保険に入っています。ペットの年齢や種類により異なりますが、保険金の額によって保障を受けられる回数が決まっています。治療費の支払いの際に「保険を適用するかどうか」は自分で決められるので、その都度考えながら保険を利用するかどうか判断しています。

ペット保険は損害保険ですが、「医療保険」の要素も含まれている感じですね。

損害保険のカテゴリではありますが、医療費をカバーしてくれるので、医療保険の要素も含まれているといえますね。

損害保険の最大の特徴「実損払い」とは?

生命保険・医療保険と、損害保険の違いについて教えてください。

生命保険・医療保険と、損害保険の大きな違いは「人が対象かどうか」という点です。また、もう一つの大きな違いとして、「保険金が支払われる条件」が異なります。

生命保険は、死亡など契約時に定められた条件が満たされた場合に、あらかじめ決められた金額が支払われる仕組みです。これを「定額払い」といいます。

一方、損害保険は、事故や災害による被害に応じた損害に対して保険金が支払われます。損害額が10万円であれば10万円、100万円であれば100万円というように、実際の被害額に応じて保険金が支払われるのが基本です。この仕組みを「実損払い」と呼びます。

保険金額の上限や支払い条件などが契約時に決められているため、フルで支払われない場合もありますが、基本的にはそういう構造になっています。

ところが、「傷害保険」は、実損払いにはなりません。 傷害保険は人が対象なので「実損」という考え方が適用できないんです。

傷害保険は、「偶発的な事故」によるケガの入院、手術、死亡などが対象の保険で、交通事故に特化したものや、家族が対象になる商品などもあります。損害保険会社と生命保険会社のどちらでも取り扱いがあります。

災害や日常生活にまつわる保険を知る

それでは、医療保険と傷害保険はどう違うのでしょうか。

大きな違いは、医療保険は「ケガも病気も対象」ですが、傷害保険は「ケガに特化している」という点です。

医療保険でカバーできるケースが多いと思いますが、医療保険に加入していない人で、部分的にリスクを回避したい人が加入を検討することもあるかと思います。

損害保険については、目的がはっきりしているので人によってニーズが異なりそうですね。

そうですね。例えば、火災保険は義務ではありませんが、マンションなど集合住宅の方だと加入を求められる場合があります。

地震保険についても、加入者の数が年々増えているようです。地震保険は、建物と家財がそれぞれ個別に上限額が設定されていることが多く、火災保険への加入が必須条件です。

一方で、単独で入れるものとして「地震補償保険」という商品があります。これは「少額短期保険」と呼ばれる保険商品で、「少額短期保険業者」が運営しています。

「少額短期保険業者」は、保険会社とは別の会社ということですか?

はい。保険会社は金融庁が監督し免許制となっていますが、少額短期保険業者は、事前登録制で財務局が監督しています。

保険金額が1000万円以下の商品しか販売できなかったり、年間収受保険料を50億円以下に抑える必要があるなど、保険会社よりも制約があります。ですが、財務局に登録すれば開業できるという意味では、保険会社よりも規制が緩やかといえます。

名前の通り少額の保険のため、「ミニ保険」とも呼ばれます。月額100円程度から加入できる商品もあります。

スマートフォンなど電子機器の故障に対する保険、熱中症のお見舞金保険など、これまでの保険商品ではカバーされていない商品が開発されている印象ですね。

妊婦の方を対象とした、女性用のミニ保険などもありますね。いろいろな商品が開発されていますね。

車や自転車を運転するなら知っておきたい保険

損害保険といえば、自動車保険も大きなカテゴリですね。

自動車に関する保険には、大きく2種類あります。強制保険であり、必ず入らなければならない「自賠責保険」と、任意加入の「自動車保険」です。

強制加入の「自賠責保険」は、事故の被害者に対して賠償することを目的とした保険です。相手を死傷させた場合に、その相手に対する補償のための保険であり、損害対象が相手の車や建物などの物の場合には補償されません。

任意加入の自動車保険に入っていない場合は、相手の車や建物への損害は、全額自己負担となります。また、自分がケガをした場合の治療費も補償対象になりません。

任意保険にも加入すると、自分はもちろん、同乗者のケガや自分の車なども補償対象に含められます。

最近では、自転車保険も自治体によっては義務化され、加入率が増加しているそうです。

時代の流れによって、保険商品もいろいろ変わりますよね。私も自転車にはよく乗っているので、自転車保険にも入っています。

そうなんですね。気になって調べたところ、自転車保険加入を義務化している自治体で自転車に乗る場合は、観光客であっても保険への加入が義務づけられているということでした。

そのあたりも、事前に調べて旅行計画を立てた方が安心ですね。

第41話のまとめ

  • 生命保険や医療保険は「定額払い」で人が対象。一方、損害保険は「実損払い」で物や事故の損害が対象
  • 「少額短期保険」(ミニ保険)という商品も出てきている
  • 自動車保険には、強制加入の「自賠責保険」と任意加入の「自動車保険」がある。両方加入した方が補償は手厚くなる
  • 自転車保険が義務化されている自治体もある

パーソナリティー:泉田良輔プロフィール