音声メディア『モニクルラジオ』がお届けする金融教育ポッドキャスト「15分で学ぶ!社会人のマネーHOW TO」は、「これだけおさえておけば、お金で大ケガをしない!」をコンセプトに、全50回のプログラムを配信しています。この番組では、学校の金融教育カリキュラムを作る際にも使用されている「金融リテラシー・マップ」にまとめられている項目を踏まえながら、金融知識をひとつずつ学んでいきます。
今回は、第40回の「保険商品#2 保険商品を知ろう!②生命保険って、どんな保険?定額型・変額型保険って何?【第40話】」でお話しした内容を記事としてお届けします。
前回は保険について「生命保険、損害保険、第三分野保険」と3種類にカテゴリ分けをしましたが、それぞれどのような特徴がある商品なのか、概要をお話ししていきます。
生命保険協会の定義を参考に説明していきます。
生命保険には、「死亡保険」「生存保険」「生死混合保険」があります。
「死亡保険」は、被保険者(保険の対象となっている人)が病気や事故などで死亡した場合に保険金が支払われる保険です。「定期保険」は契約から一定期間、「終身保険」は被保険者の生涯にわたり死亡保障が受けられます。
「生存保険」は、被保険者がある一定期間生存していた場合に保険金が支払われる保険です。
死亡保険と生存保険を組み合わせたものが「生死混合保険」です。ある一定期間中に被保険者が死亡した場合に死亡保険金が支払われ、ある一定期間まで被保険者が生存していた場合に満期保険金が支払われます。代表的なものに「養老保険」があります。
死亡保険は、人が亡くなったときに保険金が支払われますが、「保険金が支払われる期間」が定期保険と終身保険で異なります。
「定期保険」は、保障の期間(満期)が決まっています。例えば、満期が30年の定期保険に加入していて、30年以内に亡くなった場合は契約内容に応じた死亡保険金が支払われます。
ですが、30年を超えたタイミングで亡くなった場合は保険金は支払われません。保険料は「掛け捨て」となります。そのため、終身保険よりは保険料が割安な傾向があります。
はい。一方、「終身保険」は被保険者が亡くなったタイミングで、家族などの指定された人が保険金を受け取る仕組みです。
戻ってくるお金がある商品なので、保険料は掛け捨てではなく「運用できている」ということになります。
終身保険には、期間を決めて保険料を払い続けるタイプもあれば、「一時払い」といって一括で支払うものもあります。
「生存保険」は、先ほどの死亡保険とはある意味逆の発想ですね。保険期間の満期が終わった時点で生存していたら、保険金が支払われます。学資保険や個人年金保険などが該当します。
学資保険の契約者は親などの大人ですが、被保険者は子どもです。契約者と保険金の受取人は同じことが多いです。出産前、または0歳から契約できる商品もあります。
学資保険は、保険料を支払う親御さんなどの契約者が、万が一病気などで支払いができなくなった場合、その後の支払いが免除されるケースが多いです。
また、支払いが免除された場合でも、子どもの教育資金を確保できる設計になっていることがほとんどです。
「個人年金保険」は、自分の老後資金として貯蓄する「私的年金」の一つです。以前説明した年金の話でいうと「三階」部分にあたります。
まず、一般的な保険商品としての個人年金保険の話からしましょう。要は「積み立て投資」であるとイメージしてください。
60歳や65歳など、商品によって決まった年齢まで保険料を払い続け、そこから年金として契約に沿った金額を受け取れます。受け取りは、一定期間の定期型と終身型があります。
円建てやドル建て、ユーロ建てなど運用通貨が選べたり、受け取る年金額が定額のパターン(定額型)と、運用実績によって上下するパターン(変額型)などがあります。
そうですね。ただし、運用方法は商品のタイプによって異なります。額面が決まっている商品(定額型)の場合、インフレによって物価が上がると資産価値が減ってしまうリスクがあります。一方、変額型の場合は、契約時にご自身で運用先を選ぶことができます。
株式や債券などで運用する投資信託です。保険会社が指定した投資信託しか利用できないため選択肢は限られますが、インデックス型・アクティブ型どちらもあります。
その通りです。「iDeCoと個人年金保険どちらを選ぶか」という話もよく議論になります。
個人年金保険は、支払った保険料が全額戻ってこないリスクはありますが、途中解約できます。iDeCoは原則途中で引き出せませんが、個人年金保険は解約払戻金を受け取れます。
どの商品が向いているかは人によるため、どれが良いかは一概にはいえません。
はい。将来受け取る年金額は資産運用の結果で決まりますが、保険商品としての機能も果たしてくれます。
「生死混合保険」は、死亡保険と生存保険を組み合わせた保険です。保険期間内に亡くなったり、高度障害になった場合に死亡保険金が支払われます。また、満期を迎えた場合は、生存保険金というお金を受け取れます。
この生死混合保険の代表的なものが「養老保険」です。死亡保険金の額と満期保険金が同額の保険商品です。死亡保障も、貯蓄もどちらも叶えられる保険です。
終身保険とよく比較されますが、大きな違いは「満期の保険金の有無」です。養老保険は満期を迎えたら保険金を受け取れるので、老後の貯蓄として選ぶ人も多いと思います。
保険料や保障内容、運用ルールなどは、その商品を開発している会社によって異なります。そのため、ご自身でしっかり検討し、判断することが重要です。