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投資信託を知ろう!⑤投資信託の特徴をつかむ!MSCIオルカンとコクサイの違いは?内外って?【第31話】
資産形成商品#5

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ポッドキャストを聴く(資産形成商品#5 投資信託を知ろう!⑤投資信託の特徴をつかむ!MSCIオルカンとコクサイの違いは?内外って?【第31話】)

はじめに

音声メディア『モニクルラジオ』がお届けする金融教育ポッドキャスト「15分で学ぶ!社会人のマネーHOW TO」は、「これだけおさえておけば、お金で大ケガをしない!」をコンセプトに、全50回のプログラムを配信しています。この番組では、学校の金融教育カリキュラムを作る際にも使用されている「金融リテラシー・マップ」にまとめられている項目を踏まえながら、金融知識をひとつずつ学んでいきます。

今回は、第31回の「資産形成商品#5 投資信託を知ろう!⑤投資信託の特徴をつかむ!MSCIオルカンとコクサイの違いは?内外って?【第31話】」でお話しした内容を記事としてお届けします。

知っておきたい投資信託の見分け方

今日のテーマは「投資信託の商品の分類」についてです。

投資信託は、「一般社団法人 投資信託協会」によって分類方法が定められています。

この分類方法に沿った商品分類は、投資信託の説明書である「目論見書」に書いてあります。これを知っておくと、「どのような金融資産に投資している投資信託なのか」「収益はどこからくるのか」などイメージできるようになります。

分類カテゴリの一つに「投資対象地域」という項目があります。ここから教えてください。

「投資対象地域」は、「国内」「海外」「内外」の3つに分類されます。これは、投資信託の主な投資収益が、どの地域の資産によるものかを表しています。

例えば、NYダウに連動したインデックスファンドであれば、その主たる投資収益は「米国(海外)の資産」が源泉です。

投資家の目線で見ると「米国エリアで取引されている、ドル建ての金融商品を買った」ということですね。収益はドル建てで得られるため、円に換算する際には為替レートの影響を受けますか?

基本的にはそうです。海外資産に投資をしているものでも、為替をヘッジしているものもありますが、そうでなければ、為替の影響を受けます。

いま「ドル建て」という言葉が出ましたが、金融資産がどの通貨で運用されているかは「〇〇建て」といいます。ドル建てがメジャーですが、「ユーロ建て」などもあります。

「内外」とは、どちらのことを指しているのでしょうか?

これは「国内」と「海外」の意味で、投資収益を得る対象エリアが、日本国内と海外のどちらも混ざっているということです。

それでは、「つみたて投資枠対象商品一覧」に掲載されているインデックスを分類してみましょう。投資信託協会のページに書かれている、国内、海外、内外それぞれの定義はこちらです。

国内・・・主たる投資収益が、実質的に国内の資産を源泉とするもの
海外・・・主たる投資収益が、実質的に海外の資産を源泉とするもの
内外・・・主たる投資収益が、実質的に国内及び海外の資産を源泉とするもの

「国内」はわかりやすいですね。たとえば、「日経平均株価、TOPIX、JPX日経400」がありますよね。

そうですね。

「海外」は「米国のS&P500、NYダウ、そして、MSCI KOKUSAI(先進国)、MSCI Emerging Market」などです。MSCI KOKUSAIは世界の先進国の中から日本を除いているので、「海外」となります。

MSCI ACWI(オルカン)は、日本も投資対象に入っているので「内外」になります。

インデックスを例に分類しましたが、アクティブファンドも同じように分類できます。投資する際は、商品ごとに確認してみてください。

購入タイミングで分かれる「単位型」と「追加型」

では、次の分類基準を見てみます。「単位型」と「追加型」とは何でしょうか。

投資信託は、「このような商品設計です」という目論見書を提出し、資金を募集します。その募集期限の違いで、単位型と追加型に分類されます。

「単位型(クローズ型)」は、その投資信託が発売されたときに、期限を定めて一度だけ募集が行われるタイプの商品です。

「追加型(オープン型)」は、その投資信託が運用されている限り、いつでも購入できる商品のことです。 

単位型の投資信託は、どのような金融商品なのでしょうか。

「単位型」は、最初に預かった資金を、期間を限定して運用します。ファンドマネージャーにとっては、お金の出入りがないため運用しやすい側面があります。ですが、投資家にとっては投資できるタイミングがあらかじめ決まっているので、つみたて投資をイメージしている方には使いにくいかもしれません。

投資初心者で、よく聞くインデックスファンドに投資する場合は「追加型」が多いと思います。

「償還日」という項目を見ると、単位型か追加型か確認できます。追加型は「無期限」と記載されていて、単位型は償還日(運用が終了する期限)が書いてあります。

投資先で分かれる5つの資産区分

次に、「投資対象資産による区分」とは何でしょうか。

これは、投資する資産の種類のことです。分類項目は全部で5つあり、「株式」「債券」「不動産投信(REIT)」「その他資産」「資産複合」です。

主たる投資収益がどの資産によるものかという分け方で、「株式」なら主に株式を源泉とした収益を得られる商品です。

「その他資産」は、株式や債券、REIT以外の資産から収益を得る場合を指し、コモディティ(商品)などが該当します。

「資産複合」は、今挙げたような資産が混ざっているものを指します。

運用のやり方で分かる「型」の違い

「補足分類」とは何でしょうか?インデックス型と特殊型の2つが書かれています。

ファンドの運用方法です。「インデックス型」はこれまで説明してきた、インデックス指標に連動して運用するファンドです。

「特殊型」は、アクティブファンドの中でも「特殊な仕組みや運用手法を用いる」とされるファンドを指します。「ブル・ベア」や「ヘッジファンド」のような商品も含まれます。

「ブル・ベア」とは何でしょうか。

「ブル型ファンド」と「ベア型ファンド」というものがあります。雄牛(ブル)が相手を攻撃する際に、角で上向きに攻撃することから相場の上昇や強気な運用を、クマ(ベア)が攻めるときには、前足を振り下ろすことから相場の下落や弱気を意味します。

ブル型ファンドは相場が上がっているときに投資に必要な借入をして運用資産を増やして自己資金だけで運用するよりも大きな利益を狙うファンド、ベア型ファンドは相場が下がっているときに同様により大きな利益を狙うファンドのことです。相場に対して強気、弱気という意味ですね。

それぞれ、牛をモチーフにしたメリルリンチ証券、熊をモチーフにしたベアー・スターンズという証券会社がありました。ブル・ベア型ファンドは、いずれもレバレッジを利用し、手元資金をベースに資金を借り入れ、運用資産を膨らませて運用するファンドです。

このレバレッジをかけることで、利益が出た際には、手元資金のみで運用するよりも数倍の利益を狙えます。ブル・ベア型ファンドには、インデックスファンドも、アクティブファンドもあります。

ブル・ベア型ファンドは短期投資向きで、新NISA制度の対象外です。値動きが大きく、ハイリスクハイリターンのため、一般的な投資にはあまり向きません。信用取引を投資信託にしたような商品で、投機的な利益を狙うタイプといえます。ただし、損失が出ても資金がゼロになるだけで、マイナスにならない点は投資信託のメリットですね。

独立区分のファンドとは

次に、「独立区分」とは何でしょうか?「MMF」「MRF」「ETF」があります。

「MMF」と「MRF」は、証券総合口座などで売買される投資信託です。

「MMF(マネー・マーケット・ファンド、もしくはマネー・マネジメント・ファンド)」は、公社債投信の一種です。国内外の公社債や短期の金融商品を中心に運用されています。口座を開設した後に、自分で買い付けや売却をする必要があります。

「MRF(マネー・リザーブ・ファンド)」は、MMFよりも安全性の高い公社債などで運用され、口座に入金すると自動的に運用が始まります。証券会社における預金のような位置づけですが、リスクはゼロではありません。

「ETF(エクスチェンジ・トレイディッド・ファンズ)」は、上場している投資信託です。皆さんのなじみのある投資信託は上場していませんが、ETFは上場しており、取引時間中は常に価格が動きます。

新NISA制度を使う人であれば、今の話の中では、ETFが分かっていれば大丈夫ですよ。

わかりました。ETFを覚えておきます。

今回の分類を踏まえると、投資信託の商品ページを見たときに、詳細をさっと把握できるようになると思います。

例えば、オルカンには「追加型/内外/株式/インデックス型」と書いてあります。それでは、追加型で主に国内株式に投資し、TOPIXに連動する運用成果を目指す投資信託だと、どうなるでしょうか。

「追加型/国内/株式/インデックス型」でしょうか。

その通りです。目論見書をきちんと読み取るためには、今日お話しした項目をおさえておくと、投資信託の特徴がつかめると思います。

第31話のまとめ

  • 投資信託が、どこの国で、どのような金融商品に、どんな方法で運用されているのか分かると、商品を選ぶ際の重要な軸ができる
  • そのためには、投資信託協会がまとめている「単位型・追加型」「投資対象地域」「投資対象資産」「独立区分」「補足分類」を確認すると、投資信託の特徴を把握できる

パーソナリティー:泉田良輔プロフィール

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株式会社モニクル
取締役 グループ戦略担当

泉田 良輔 Ryosuke Izumida

慶応義塾大学卒業後、日本生命保険、フィデリティ投信で外国株式や日本株式のポートフォリオマネージャーや証券アナリストとして勤務。2013年3月、株式会社ナビゲータープラットフォーム(現:株式会社モニクルリサーチ)を共同設立し、取締役に就任(現在は代表取締役)。2018年11月、株式会社OneMile Partners(現:株式会社モニクルフィナンシャル)を共同設立し、取締役に就任。2021年10月、ナビゲータープラットフォームとOneMile Partnersの親会社として、株式会社モニクルを設立し、取締役に就任。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。東京科学大学大学院非常勤講師。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科修士課程修了。著書に「銀行はこれからどうなるのか」「Google vs トヨタ」「機関投資家だけが知っている『予想』のいらない株式投資法」など

 

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