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投資信託を知ろう!④投資信託の商品名を解読!TOPIX、日経平均、NYダウって何?MSCI指数とは?【第30話】
資産形成商品#4

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ポッドキャストを聴く(資産形成商品#4 投資信託を知ろう!④投資信託の商品名を解読!TOPIX、日経平均、NYダウって何?MSCI指数とは? 【第30話】)

はじめに

音声メディア『モニクルラジオ』がお届けする金融教育ポッドキャスト「15分で学ぶ!社会人のマネーHOW TO」は、「これだけおさえておけば、お金で大ケガをしない!」をコンセプトに、全50回のプログラムを配信しています。この番組では、学校の金融教育カリキュラムを作る際にも使用されている「金融リテラシー・マップ」にまとめられている項目を踏まえながら、金融知識をひとつずつ学んでいきます。

今回は、第30回の「資産形成商品#4 投資信託を知ろう!④投資信託の商品名を解読!TOPIX、日経平均、NYダウって何?MSCI指数とは? 【第30話】」でお話しした内容を記事としてお届けします。

 

投資信託の「インデックス」とは

今日のテーマは「投資信託のインデックス(指数)」についてです。

インデックスは世界中に数多く存在します。日本では米国のインデックスに触れる機会が多いかもしれませんが、イギリス、ドイツ、フランス、中国、インド、ブラジルなど、各国の市場の数だけインデックスが存在します。

今日は、金融庁が新NISA制度のページで公開している「つみたて投資枠対象商品届出一覧」に記載されている商品のインデックスを中心に、解説していきます。

インデックスとは、「市場全体をとらえようとする価格数値」のことです。例えば、株価指数は株式市場、債券指数は債券市場、REIT指数はREIT市場の動向をそれぞれ示しています。この指数を把握すると、市場ごとの傾向が見えてきます。

日本の株価指数の中では、「TOPIX」と「日経平均株価」をよく聞きます。ひとつの市場に、複数のインデックス(指標)があるのでしょうか。

はい、その通りです。インデックスとは、市場をある一定の切り口から、どのような傾向があるのかを見る物差しなんです。

指数はだいたい、その国の証券取引所や、金融経済メディア、金融の調査会社などが作っています。そのため、インデックス名には作っている主体の名前が入っています。例えば、日経平均は日本経済新聞社が作っていますね。

それでは、日本株式のインデックスについて教えてください。

日本株式のインデックスは「TOPIX」、「日経平均株価」、「JPX日経400」などがあります。

「日経平均株価」は、「日経225」や「日経平均」とも呼ばれます。これは、日本経済新聞社が、東京証券取引所プライム市場上場銘柄の中から選んだ225銘柄の平均株価のことです。この225銘柄は定期的に見直され、入れ替えもあります。

日本経済新聞社セレクト銘柄の株価平均、ということですね。TOPIXはどういう指標ですか?

「TOPIX」は、「東証株価指数」ともいい、東京証券取引所(東証)が公開している指数です。時価総額にウェイトが置かれています。日本で証券取引所を運営しているのは、JPXとも呼ばれる、日本取引所グループです。

TOPIXは、東京証券取引所で売買されている株価に紐づいているんですね。

現在の基準では、プライム市場に上場している企業に加え、かつて東証一部に上場しており、市場再編時にスタンダードやグロース市場を選んだ企業の株も含まれています。なお、現在は指標の見直し案が出ています。

では、JPX日経400についても教えてください。東証と日経平均、どちらも混ざっていそうな名前です。

「JPX日経400」は、JPXグループのJPX総研と、日本経済新聞社が算出している指標です。

投資家にとってグローバルでも評価されやすい投資先を独自の基準で400社選び、その平均株価を数値化したものです。「直近3期、債務超過がない」などの基準で1000社に絞り込み、そこから定量・定性的に評価して400社を選定しています。

2014年に作られたので、TOPIXや日経平均に比べると、比較的新しい株価指数です。

それぞれ、どのような違いがあるのでしょうか。

簡単にいうと、「TOPIX」と「JPX日経400」は、市場全体の時価総額の値動きを見る指標です。

「TOPIX」は、プライム市場を基本とした2000銘柄以上で構成されているので、時価総額の大きな銘柄の影響を受けます。

「JPX日経400」は、TOPIXに比べて、銘柄の偏りがなく、自己資本利益率(ROE)という業績指標のいい企業に絞られています。

「日経平均」は、225社と数が少ないこともあり、株価の絶対値が高い銘柄(値嵩株:ねがさかぶ)の影響を受けやすいという特徴があります。

海外株式市場の代表的なインデックス

次に、海外株式市場のインデックスについて教えてください。

まず、アメリカには、ニューヨーク証券取引所(New York Stock Exchange)とNASDAQ(ナスダック)という市場があります。ニューヨーク証券取引所は、頭文字をとって「NYSE(ナイス)」と略されます。

代表的な指数は、「S&P500」「NYダウ」「NASDAQ総合」の3種類があります。

 

それぞれ、どう違うのでしょうか。

世界で最も知られているであろう「NYダウ」は、正式には、「ダウ・ジョーンズ工業株価平均」といいます。「ダウ工業株30種」「ダウ平均」とも呼ばれています。

ダウ・ジョーンズ社が、米国を代表する優良企業と判断した30銘柄を選出して出した数値です。株価の大きな銘柄の影響を受けやすいです。日本の「日経平均株価」に近いイメージです。

「S&P500」は、ニューヨーク証券取引所やNASDAQなどに上場している、代表的な米国企業から選ばれた500銘柄の平均です。時価総額ベースで算出されます。この指数も、ダウ・ジョーンズ社が算出・管理しています。日本の「TOPIX」のイメージです。

米国株式市場の8割ほどを網羅すると言われていて、時価総額の大きい銘柄の値動きに影響を受けやすいのが特徴です。

ダウ・ジョーンズ社はどんな会社ですか?

アメリカの経済新聞「ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)」を発行している会社です。日本経済新聞社のようなイメージです。アメリカの格付け会社S&Pとダウ・ジョーンズ、それぞれの親会社が作った合弁会社が生み出した指数がS&P500です。

ウォール街は、日本で言うと東京の兜町のような、金融の中心地です。アメリカ金融の中心地であり、世界の金融の中心地でもあります。

ニューヨーク証券取引所とNASDAQは、どう違うのでしょうか。

ニューヨーク証券取引所には、マクドナルドやディズニーなどの大手企業が上場しています。米ドル建ての制度である「ADR」という方法で上場している日本企業もあります。

NASDAQは、もともと新興企業のための市場で、IT系の企業が多いです。アップル、アルファベット、マイクロソフト、アマゾン、エヌビディアなど、名だたる企業が上場しています。日本のスタートアップで、NASDAQに上場する企業も増えているようですね。

グローバル市場を見る「MSCI指数」と「FTSE指数」

他に覚えておいた方がいいインデックスはありますか?

「MSCI指数」です。これは、アメリカのMSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)が算出している指数のことです。

モルガン・スタンレーはアメリカの金融機関で、投資銀行や証券など、あらゆる金融事業を牽引するビッグネーム企業です。キャピタル・インターナショナルは運用会社です。 このモルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナルが、株価指数などの算出事業を行っており、それがMSCI指数です。

一覧表を見ると、他にもACWI、コクサイ・インデックス、 Emerging Marketsと記載がありますが、これは何でしょうか。

「ACWI」は、オールカントリーワールドインデックス、いわゆる「オルカン」です。先進国と新興国の大型株などがメインです。オールカントリーとはいいますが、構成比を見ると時価総額の6割ほどが米国株で占められています。例えばアップル、エヌビディア、マイクロソフトなど、名だたる企業の株の割合が高い傾向にあり、日本株式も含まれています。

ファンド名に「先進国」と入っているファンドは、日本を含む先進国で構成される「MSCIワールド・インデックス」などに連動しています。

「コクサイ・インデックス」は、「MSCIワールド・インデックス」から、日本を除く先進国の大型株などで構成されています。

「Emerging Markets」は、新興国のマーケットです。インド、中国、台湾、韓国などの大型株などで構成されています。

FTSE(フィッツィー)というものもありますね。

「FTSE」は英国のロンドン証券取引所(LSE)の代表的な株価指数です。英国のフィナンシャル・タイムズ社と、ロンドン証券取引所グループの合弁会社です。

今日は、インデックスの名称とその特徴を中心に解説しました。たくさんのインデックスが出てきましたね。これで投資信託の商品名が分かりやすくなったのではないでしょうか。それぞれの詳細や算出方法については、また別の機会にお話しします。

第30話のまとめ

  • 日本株式の代表的なインデックスは「TOPIX」「日経平均株価」
  • 米国株式の代表的なインデックスは「S&P500」「NYダウ」「NASDAQ総合」
  • 「MSCI ACWI」はいわゆるオルカン。先進国と呼ばれるのが「MSCIワールド」、MSCIワールドから日本を抜いたものが「コクサイ・インデックス」、新興国が「Emerging Markets」
  • 英国市場の代表的な指数はFTSE(フィッツィー)

パーソナリティー:泉田良輔プロフィール

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株式会社モニクル
取締役 グループ戦略担当

泉田 良輔 Ryosuke Izumida

慶応義塾大学卒業後、日本生命保険、フィデリティ投信で外国株式や日本株式のポートフォリオマネージャーや証券アナリストとして勤務。2013年3月、株式会社ナビゲータープラットフォーム(現:株式会社モニクルリサーチ)を共同設立し、取締役に就任(現在は代表取締役)。2018年11月、株式会社OneMile Partners(現:株式会社モニクルフィナンシャル)を共同設立し、取締役に就任。2021年10月、ナビゲータープラットフォームとOneMile Partnersの親会社として、株式会社モニクルを設立し、取締役に就任。日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)。東京科学大学大学院非常勤講師。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科修士課程修了。著書に「銀行はこれからどうなるのか」「Google vs トヨタ」「機関投資家だけが知っている『予想』のいらない株式投資法」など

 

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